複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.354 )
日時: 2016/03/28 17:35
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

「彼は……多重人格です。火野は保護した方が宜しいかと。望田総理」

「……そうかね。しかし、刑務所以外に、放り込む所が無い。我々、政府が非人道的な行為をする訳にも行けないからね……。それに、あんな犯罪者に構っている暇は無い。私は忙しい。伊達にでも、押し付けてこい!」

望田はそのまま去る。




火野と言う優しい人間と、狐と言う狂気的な化け物を備え持った有理は、目の前にいる時雨を殺したくなる衝動に駆られる。しかし、自分自身で抑制をし続けていた。



「ねぇ!この遊園地に行きたいな!」

「いや……人が多い所は……」

「……え!人気が無い所に行きたいの……?」

「そうじゃなくて……人を見ると……」

「そんな中二病みたいな良い訳は止めて、時雨と遊園地に行こう!行かなきゃ駄目!」

「……なら、美術館へ行こう。美術の勉強になるし」

「……有理と一緒なら、時雨は何処でも良い。……最近、時雨に冷たいからね!」


「……すまない」

「良いんだよ!有理も忙しかっただろうし!」







「人間様に害のある化け物は、虎の餌にしてしまえ!……六爪流が、天地を裂いて、狐を裂いてくれるわ!」

伊達は騒ぐ。


「伊達さん、奴らは博物館に行った模様です。盗聴器を仕組んで良かったですね」

「本来は、未確認生命体しか使えない妖術を使えるこの俺こそ……最強の名に相応しい!さあ、ダークマターより目覚めし、この力を使い……。





ネームレスでは無くカタストロフと呼ばれる世界を作り上げようじゃないか。


俺の名は、伊達 兆途(だて じょうと)。

この世界の破壊者だ」










美術館では、時雨と火野が絵等を見学していた。



突如、美術館の出入り口のシャッターが閉まる。


アナウンスが美術館中に流れる。


「現在、極悪犯罪者が美術館に立てこもりました。皆さまは、裏口から避難してください」


「……いやいや、そしたら、犯罪者も裏口に行くだろ。馬鹿なのか?」


時雨は純粋の為、火野の手を引っ張り、裏口に行こうとする。

「ほら、行こう!有理!犯罪者が来ちゃう!」

「……何かが、おかしい。少し様子を見て……」




「時雨は、有理のいない世界なんて生きられない!お願いだから……一緒に……」

時雨の周りには、青い炎が現れる。


「分かった。分かったから……」



一方、美術館の前では。


「あれま、今日は美術館休みかね?」

お爺さんが落ち込む。







火野の目の前には、伊達がいた。



「嗚呼。害虫よ。この出会いは偶然か必然か。貴様との出会いは、良か否か。だが、あるのは、自身の欲望と、都合が良い自己満足。

この世の乱れは、正義の乱れ。

極悪犯罪者!成敗してくれるわ!

六爪流 奥義 虎竜王斬とらりゅうおうざん!」


「……あ……!」

火野は反応し、避けようとするが、時雨は反応出来ず、避けるのが遅かった。



ブシャーーーーーー!


時雨の目の前には、斬撃を受けていた火野の姿だった。


「……ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

火野は叫び、倒れる。


「有理!有理!……うう。有理!有理!」



「我の名は、カタストロフ!我の姿を見たのなら、死んでもらうぞ。小娘!六爪流 波裂斬なみれつぎり!」