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複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.358 )
- 日時: 2016/03/29 12:45
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
「時雨は.......有理とずっといたい。だから、お面を被る!」
時雨は、火野にお面を渡す。
火野はお面を被り、時雨も被る。
祭囃子が聞こえてくる。
狐のお面を被った者達が、夏の匂いを纏ってやってくる。
「懐かしき想い出に留まり、未来を捨てる選択を選んだ君へ。
この愛しき世界で、永遠に笑いましょう。過ごしましょう」
「……伊達さん!大丈夫ですか!」
「……ん?俺は何を……」
「どうしたんですか!急にカタストロフとか騒いじゃって……」
「ああ……。俺は……何をしていたんだ?」
「急に、害虫とか訳の分からない事を言って、美術館を妖術で閉鎖して、一人で暴れていたんですよ。総理が聞いたら……」
「そうか……。ん?何だこれ」
伊達の傍には、狐のお面があった。
その後、火野と時雨が姿を見せる事は無くなった。
さらに、人々の記憶にも、火野と言う者と時雨と言う者がいたかどうか不明とされている。
しかし、実際に資料を見ると逮捕歴があり、美術館の監視カメラにも、映っている事から、存在確認は可能。
「おい、知ってるかぁ!世界は一つじゃ無い事をぉ!」
「ああ、我々には、目では見えない世界が存在すると言う事だな」
「まあな!なぁ……。お前のしわざかァ?暗殺部隊の火野の存在の記憶を消し去ったのはぁ!」
「この世界は、我々の常識を超える事が普通と呼ばれる世界だ。記憶操作を持つ能力者なんて、私以外にも、沢山いる。……例えば、死神とか」
「……まぁいいや。とりあえず、警視総監達が居る場所に行くぞぉ!武藤!」
祭囃子が今日もよく聞こえてくる。
未来を忘れた者達の、喜びの断末魔が。
過去に留まった者達の、名も無き時雨心地が。
第三十六章 名も無き時雨心地 終
場面変更
次へ続く
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