複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.359 )
日時: 2016/03/29 17:57
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第三十七章 名も無き旋律


姿無き虎 支部の1つ。


部屋の中には、ピアノを弾く少女と壁に寄りかかる男性がいた。



「相変わらず、素晴らしい音色だな。フローラ」

「私は頭の悪い連中の戦争なんて興味無いんだけど。広川」

「まあそう言うな。月丘から、警視総監誘拐作戦の指示が出たんだから」

「闇の正義の名の下に暗躍する警察の犬共がどれくらい強いのかによるわね。後は、キミがプリンを御馳走してくれたらね」

「勿論プリンは御馳走するよ。さて、久々に、草野と堂宮に会えると思うと歓喜しすぎて、人間の形を維持するのは大変だよ。カッカッカ……」




そう言って、広川とフローラは支部を後にし、車で病院へ向かった。





「この状況で、空気が読めないリーダー月丘は、寝ているので、私、照山 蓮嶺が指揮を執る……。この作戦で、恐らくこの国の政府を敵に回す。……失敗は許されない」

「いい加減な政府を私達が変えましょう……私達の旗を、この世界に打ち立てよう」



少数の支部のメンバー、十数人が気合を入れる。








一方、警視総監の病室では。



「……良い俳句が思いつかん……」

「あの、警視総監の護衛はボク、一人で良いんですか?護衛の駒を全員にするべきです」

「だが……。そうか、だが武藤が行方不明だ」

「戦力は問題ありません。ボクは、武藤さんに禁止されていた事項を破りましたから。今までとは全く違いますよ」

「禁止事項?」

「複数の能力の服用ですよ。ボクの能力なら、それが可能です。この能力なら奴に……」

「なら奴に……?」

「い、いえ……。奴を思い出すと、ちょっと……トラウマが……。まあ、この国に来ている訳がありませんので、ボク自身に支障は出ませんよ。絶対に」


「あ!後、助っ人を呼んでおいた。まあ、まだ許可は貰っていないが」

「助っ人なんていりませんよ。あの駒だけで十分です」


ファントムは病室から退出する。



「さてさて、照山ちゃんを上手く、此方側に誘導しないとな……。私のお気に入りなのだから。


さて、助っ人に電話でもするかの?いつも、良い薬を売ってくれる取引人に!」










姿無き虎の作戦は、

夜中に病院の玄関から支部のメンバーが騒ぐ。同時に奏雲が歌い、病院の注目を集めさせる。歌等を止めようとする者は、照山が対応する。


そして警視総監がいる病室に夜中に一人だけフローラが忍び込む。

フローラが警視総監を連れ出す。

ちなみに、事前に、照山が病院の透視を行い、警視総監の護衛の人数、暗殺部隊の人数を数えている。


「単純だが、大分、難しい。直、病院の被害を最小限にし、一般人を殺す事、傷害を起こす事が無いようにするぞ……!我々が世界を変えるんだ!」



「蓮嶺。モルドがまだ、戻って来てない……」

「大丈夫。モルドは、裏切らない。そして、このメンバーも、気持ちは同じだ。皆、この世界を変革を望み、完全な秩序を……!」





しかし、月丘は彼女達の行動に危惧していた。


「……目的を達成するのに、力が入り過ぎて、肝心の文とジェイコブの事を……忘れている」