複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.385 )
- 日時: 2016/04/01 18:03
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
「伏見。こんな仕事も出来ないのかい?年下があんなに、頑張っているのにな〜」
「申し訳ございません……」
「なら、土下座しろ。土下座しないなら、自主退職しろよ。ただ、今後の就職に不利になるけどな〜。昨日だって、勝手に帰ったしな……いい加減にしろよ」
「すみません、すみません……」
伏見の目からは、涙が流れていた。
「私……何やってんだろうな……」
伏見と鈴森は、小学生からの仲であった。
鈴森は奇行が目立っていて、問題児であった。
「あっはっはっは!わたしは、天才!天才なのだ!」
「……ハハハ。それよりもさ、早くタイムカプセルを埋めようよ」
「そうだな!」
二人は、小学校の卒業式、桜の木にタイムカプセルを埋めた。
「ねえ、亜実。タイムカプセルに何を書いたの?」
「将来の夢かな……?」
伏見の将来の夢は、キャスターだった。
伏見は、高校生になってもその夢を持ち続けていた。
しかし……。
「亜実。俺と同じ高校に入ろうぜ」
「いや、でも私は……」
「良いじゃん。な!俺、一人は寂しいんだよ」
「あ……」
伏見は、進学校の道を捨て、彼氏と同じ、不良達が潜む高校へ進学してしまう。
伏見は、断りきれない性格だった。
結局、彼氏と入学してから半年で別れ、無意味な日々を送っていった。
「私の夢が……。どうしたら良いんですか?鈴森さん……」
伏見は、一人泣き続けた。
鈴森は、警察官の道に進んでいた。
「鈴森さんは、夢を叶えている……。どうして、私の夢は……」
伏見は恨みの塊になっていた。
結局、伏見は高校卒業後、何処にも就職出来ていないでいた。
「今の時代は、大卒じゃないと採用してくれない……。どうしよう……」
伏見の親は、元々シングルファーザーだった。しかし、父は病気で現在、入院中。
入院代は、父方の家族によって、支払われている。
しかし、家族は伏見を受け入れるどころが、邪魔者扱いして、実家に住まわせないで、金を仕送りさせて一人暮らしさせている。
さらに、高校卒業後の面倒は見ないと断言される。
ちなみに、この国の消費税は、18%。これからも上がる予定。就職率は下がり、失業者の数は上がる一方、貧富の差が広がっていた。
さらに、貧民層街に住んでいるだけで、差別は当然行われていた。
特に、学生の中で、差別が存在している。その為、イジメや自殺が多数起こっている。
そして伏見は、たまたま、ダムネイションと言うブラック企業で働く事になった。
「ブラック企業に勤めてるけどもう、私は限界かもしれない」
伏見は、二人のアンドロイドの事を思い出し、願い事を想像していた。