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複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.39 )
- 日時: 2016/12/21 20:07
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
外伝 超能力無き少女
「ねえ!見境 紬さんの超能力って……」
「見て。俺の超能力。凄いだろ?だから、俺と一緒に……」
あたしに、寄らないで。変人。厨二。あたしは、平和に過ごしたいの。普通にこの人生を歩みたい。それなのに……あたしには、超能力が無いせいで、平和に生きられない。
「あたしには、超能力は無いの。だから、超能力なんかあたしの目の前で見せないで。それに、話題も禁止。あたしは、平和に生きたいの。能力とか、厨二は余所でやってくんないかな?」
この言葉を言った瞬間に、あたしは、晒し者にされた。あたしに向けた数々の哀れな目。超能力が無いからと色んな人から罵倒され、馬鹿にされた日々。
だけど、あたしは解放される。何故なら、もうすぐ高校生になるから。
この国で、超能力が無い人間は25%いる。きっと、高校には、あたしと同じ様な目にあっている人がいるはず。別に友達を求めている訳じゃない。だけど、何も不満を感じない平凡な日々を求めている。あたしは、人々の評価に不満を感じている。それを、取り除くには、普通に話せる知り合いが必要になる。超能力が無い事を馬鹿にしない普通の知り合いが。
しかし、この期待は裏切られる。皆、超能力を持っていた。当たり前なのかも知れないけど……。
そして、昔の様に皆があたしに話しかける。
「見境さんの超能力って何ですか?僕、知りたいんですけど……」
あたしの望んだ平和って一度もやって来ずにこのまま人生を歩まなければならないのかなあ。
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