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複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.429 )
- 日時: 2016/04/14 14:30
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
院道と柴田は病院の外にいた。
「……目羅と言う男は本当に我々の同志なのか?」
「ああ……。今も、あのお方の為だけに動いている」
「さて、マスコミも賑わせている頃だ。俺は別に騒動になるのは構わないが、あのお方が気に食わないらしいから、早く、アジトに向かうぞ」
「まあ、待て阿修羅……。目羅は、恐らく現実逃避する。お前が、目を覚まさせてやれよ」
目羅は、成木の所に行く。
「林檎……!」
成木の意識は、無かった。大量の生命維持の為の機械を取りつけられている。
「……こんな事になるまで、林檎は……生きようと……!」
目羅は、林檎の身体を揺らす。
「……林檎!起きてくれ!起きて、もう一度、あの笑顔を見せてくれよ!本当の俺を見てくれよ!」
林檎は起きない。
「俺は……林檎に隠していた事があるんだ……それは……」
目羅は、自分の正体、秘密を打ち明けた。
「こんな事になるなら……あの時、言っておけば良かったな……。俺は、やっぱり、クズで犯罪者だ。
でも、これが俺だ。これが俺なんだ。
俺は、どうしようもない、クズなんだ。
でも、林檎を俺は……世界で一番、愛している。
……ちょっと、照れくさいな。なあ、林檎なら笑ってくれていたよな。
だからさ……。
死なないでくれよ……!
今すぐ、笑ってくれよ!」
目羅の目の前で、林檎は息を引き取った。
他人の死は、理解出来ない。
ある日、突然頭を潰されて亡くなってしまうかもしれないし、病気で、予告宣告をされ、無くなってしまうかもしれない。
頭の中では、その構造は理解できる。
ただ現実は時に想像を超える。
自分や周りの人達は、ずっとずっと隣にいると、生きていると思っている。
しかし、目の前で、愛している人を失い、理解する。
永遠などなかったのだ、ということを。
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