複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.435 )
日時: 2016/04/15 15:01
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第四十三章 名も無き改変

朝日が昇り、戦場と化した医療所を照らす。

照山を捕えていた警視総監は朝日を見る。


「……何だあれは……?」



身長が9mの白銀の兜に甲冑、純白のマントを着た中世期風の騎士のような恰好をしているアンドロイドが朝日の目の前に現れる。

アンドロイドの肩には、草野と広川等の姿無き虎に属する者が、乗っていた。



巨大アンドロイドの姿は、フローラ=クレッシェンド=アンサンブルと月丘 幻虎からも見えていた。

「……あれは……?」

フローラは驚く。

「彼はシーザー。俺達の仲間だ。……でも、彼は、海外にいたはずじゃ……」



芽小折を覆っていた雲は、シーザーの方へ向かう。

芽小折は目覚める。

「……クソッ!能力が暴走して、自由に操れない……」

「さて、能力に頼りすぎた権力者には、退場させてもらうわ」


芽小折の隣に、ファントムが現れる。

「此処はボクが……!?どうして、お前がいるんだ……!?」


フローラをファントムを驚く。

しかし、ファントムはパニック状態に陥る。

「嫌だ!ボクは……誰にも、負けないんだ!誰にも、ボクには勝てないんだ!あああああああああああああああ!!!!!!」


「ファントム!?」

芽小折は、ファントムに驚く。


月丘はフローラに聞く。

「あれは……暗殺部隊の……」

「へぇ……出世したんだ。……その顔のおかげかしら?」

ファントムは指を鳴らす。

フローラは、何処かに消える。

「……能力がブレて、この医療所内の何処かにしか飛ばせなかった……。……っふう……。ボクは大丈夫です。芽小折さんは、フローラさんを見つけて、殺して下さい」

ファントムは、いつも通りの自分を見せるのに、精一杯だった。

「……分かった」

芽小折は、とりあえず、その場から立ち去る。


「月丘さん……。笑いたければ笑えば良いんですよ?代わりに直ぐに殺してあげます」

「誰にだって、暗い過去はある。知らない過去はある。恥と思っちゃ駄目だ。……まあ、言える立場じゃないけど……俺だって、弟が……いるとは……」

「ただ、弟の伊岳さんよりも、貴方は落ちこぼれみたいですけどね。あのアンドロイドが此処に辿り着く前に、貴方達を殺します。さあ、幻の虎の力を見せて下さい」

「……俺の、いや……俺達の旗を此処に打ち立てるんだ……!」

月丘は、虎になり、ファントムの方に向かう。

ファントムは月丘の方に走って向かう。




月丘は、キバでファントムを噛もうとするが、ファントムは避け、腕を伸ばし、月丘を巻きつける。

ファントムは月丘を壁に叩きつける。

月丘は、爪をファントムの腕に刺し、切り裂く。

ファントムは、片腕を元に戻し、傷を再生させながら、ファントムの別の片腕から、ビームが出る。


月丘は、俊敏な動きで避ける。


「闇の正義の名の元に、死んでください」

「……死ぬのなんて、怖くは無い。ただ、この世界で生きるのが怖い……。なら、変えてしまえば良い……!」

「それは、逃げ、ですよ?自覚してください……よ!」

「俺達は、負けない!」










一方、フローラは。

「……!奏雲」

「フローラ……。どうして此処に?」

「それより、どうしてこの状況になったのかが、分からないんだけど……」



H‐7は、フローラに機関銃を撃つ。

フローラは即座にピアノを具現化させ、H‐7や大量のロボットを強制的に、踊らせながら、音符の斬撃を飛ばす。


「さあ、セッションしましょ?」

奏雲はフローラに問う。

「えぇ……勿論!」


奏雲は歌い、フローラは弾く。



「誰にも、相手にされず、孤独だった日々。

でも、むしろ孤独は望んでいた。

生きる希望も湧かなくて。

何を出来ない自分に優しくして。

この世界は、ボクがいなくてもクルクル回り続ける。

いてもいなくてもクルクル回る。

そんな世界なんて、必要か。

誰も悲しまない世界があるのなら。

そんな世界に行ってみたいよ。

犠牲だなんて言わないで。

歩く世界で皆が笑い歌っているなら、それは正しい世界」






ロボット達は、歩きたいように歩く。


「……アンタ達。たまには、笑って歌ってみたら?たまには……自分の意思で行動しなさいよ……」




ロボット達に、奇跡が起きる。



H‐7は、笑う。

「……屋上に警視総監と照山 蓮嶺がいる。ついてこい」