複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.445 )
日時: 2016/04/18 18:37
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

深い深い森の中、少年と虎は殺し合いをしていました。



「……貴方は、体が弱いんですよね?無理をしないで、大人しくボクに殺されたらどうですか?」

「……俺は、空気が読めないし、能力も……〈幻虎〉。幻の虎。能力とおんなじさ。さほど利用価値も無いのに……俺はこの能力に酔っているし……ははは」

「急にどうしたんですか?遺言ですか?」


「……まあ、そんなもんだね。……こんな出来損ないの俺を、皆は差別した。俺は、孤児院に入れられて、周りとも馴染めずに一生を暮らすと考えていた」


「別にボクは一人で良いと思いますよ。ボクも、一人ですし、周りにいるのは、都合の良い駒だけですし」


「俺は、あるアパートで、一人でゲームをしていた。ゲームの世界なら、俺は変われた。

病院で入院するほど、体が弱くても……そして、俺は……」


「……その話をボクが聞く意味は無いですよね?そろそろ、死んでもらいましょう」

「……別に、君に聞いて欲しい訳じゃない」

ファントムは、後ろの気配に気づく。

ファントムの後ろには、黒獅子 伊岳がいた。


「ファントム君。今だけは、彼と話がしたいんだ!君は、あの巨大アンドロイドを倒す方法を考えるべきだよ〜!後は、これ、武藤君の死体さ!」


ファントムは武藤の死体を持ち、投げ飛ばし、口から火を吐き、武藤を火葬する。


「……汚い虫が湧いてましたね。武藤君がちゃんと死んでいて良かったです。それでは、あのアンドロイドを倒すまで猶予を与えましょう。それまでに、話を終えて下さい。言っておきますが、黒獅子さん、貴方もボクの駒ですからね」


「分かったよ〜!ご慈悲をどうも!」


「……ボクも鬼では無いですから。それでは、兄弟仲良く、話し合って下さい」



ファントムは、背中に翼を生やし、シーザーの所に飛ぶ。





「鬼じゃないなら、恩師の死体は焼かないね〜」


「……お前、本当に俺の弟なのか?」


「ああ……死に物狂いで探し回って、こんな所にいたとはね〜!」

「……俺の親父と、おふくろはどうしてる?」

「それよりも、君の過去を聞かせてくれよ。今日くらいしか、こんな事は無いんだから!」




「……そうだね。……俺はゲームで友達が出来た。そして、俺をリーダーに、ギルドが誕生した。それが、姿無き虎。

そして、現実の世界にも会いに行く事になった。

俺自身は、怖かったけど、皆も勇気をだして俺の所に来てくれたんだ」


「勇気を出して……?どう言う事だい?」


「俺を含めて、姿無き虎のメンバーは、差別された経験等があり、トラウマを抱えて、一人で閉じこもっている者達だったんだ。



そして、のちに俺達は、ゲームの世界じゃなくて現実の世界で、戦う事を決意した。


誰もが平等で、誰もが幸せで、誰もが笑っている世界を。

俺達みたいに、差別される者達がいない世界を」


「……ブラボーだね。そして、この行動に出たんだね!」

「いや……本来は、警視総監を誘拐して、メンバーの文とジェイコブと取引して、平和的に解決する予定だったんだ。でも……皆が、早とちりして……」

「そして、巨大アンドロイドまで出て来たと……!」

「シーザーは、俺達と同じ姿無き虎のメンバーだけど、世界中で貧しい子供、そして、海外で捕らわれて、見世物にされていた未確認生命体モンスターを救う為に、外国を渡っていたはずだが……」


黒獅子は、スマホを見る。


「おおっ!海外のネットニュースで、話題のアンドロイドだね〜!大統領のヨルクは、王が管理している未確認生命体の巨人と断定だって……!アンドロイドなのにね〜!」


未確認生命体の王は、モンスターと同じ様に、巨人を管理していた。人間達は、未確認生命体との戦争を危惧している。

人間達は、未確認生命体と闘えば負ける事を知っていた。

しかし、この国が戦争を王に仕掛けた事で、状況はかなり変わってしまうが……。


シーザーは巨大すぎる体だが、一時期、人間は未確認生命体と共存していた事があり、人間によって創られた巨人用の乗り物で、シーザーは海外を移動していた。


シーザーは、同じメンバーの草野の呼びかけで、この場に移動。暗殺部隊 ドライアドが、暗殺部隊 アンノウンの様子を常に監視し、医療所にアンノウンのメンバーが戦闘準備していた時に、ノヴァとエマが襲ってしまった。



「〈虎〉という能力なのに傷つきやすいとはな……気高いと思う自分が恥ずかしいよ。でも他とは違う能力に酔っている自分もいる。さほど利用価値も無いのにな。ははは」


「……それでも、俺の兄貴だよ。ずっと、俺の兄貴だ」

「……こんな頼りない俺でもか?お前と全然能力も才能も違うのに?」

「黒獅子 翔弥。……兄貴は、姿無き虎のリーダーだよ〜!あひゃひゃひゃひゃ!自信持てー!……兄貴は、俺と違って、優しくて、自分で居場所を創ったんだよ。……兄貴は強いぜ!」

「……ありがとう、弟よ……こんな俺を、兄貴と呼んでくれて」


「俺こそ、兄貴に出会えて良かったよ!……ありがとう」