複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.475 )
- 日時: 2016/04/23 17:01
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
霧ノ宮と夜城はひたすら、部屋のドアを開ける。
部屋にも、何処にも人はいなかった。
「……誰もいないよ?」
「恐らく、このホテルを貸し切りにしたんだ。なら……」
霧ノ宮と夜城は、エレベーターで最上階へ向かう。
「……ビンゴ。スイートルームに博士はいる!」
霧ノ宮はゼロ・エデンを出し、構える。
エレベーターが開かれる。
目の前には、博士とエリアスがいた。そして、後ろの通路には、人間の形をした黒い物体が現れていた。
「さすが、エリアス君。計算通りだ」
博士とエリアスは、銃を霧ノ宮と夜城に向ける。
「動かない方が身の為だよ?僕等を殺そうとしたら、後ろの呪いが、君達を画面の中へ連れて行く」
「……」
「……どうしよう……!」
「君達には、この呪いの完成を見届けて欲しいんだ!魔法と科学の融合!素晴らしいじゃないか!」
「でも、人類はこの呪いのせいで滅ぶ……!」
「人はそんなに弱くない。この呪いじゃ、人類滅亡には程遠いね!」
「何の為にそんな事を……」
「あ……ちょっと、エレベーターから出て貰っていい?いちいち、ドアしまうの嫌でしょ?」
エリアスが、強制的に霧ノ宮と夜城を誘導する。
エリアスは、何かを手渡す。
博士は二人を連れて行きながら語る。
「呪いの目的は簡単。これは実験だよ」
「実験?」
「呪いの存在を幽霊と同じ様に、コントロールする。超能力なら可能かもしれないけど、僕はそんな能力に頼らないで、科学的に実証したいんだ!どうやら、僕の友人の矢城君、アンドロイド君がもう、知っていたみたいだけどね」
「その為に、何人の人が、消え、何人の身勝手に造られた生物兵器が死んだと思っている……!」
「この世界の人々は、僕の実験台だ。全て、何もかも」
「……何を言っても無駄か。……菱刈は何処にいるんだ?」
「此処にはいない。僕の国の量子コンピュータにいる。だけど、量子コンピュータを壊しても無駄だよ。菱刈は、もうプログラムになっているからね。研究所の時と同じように、依り代を探す」
「……どうすれば……」
「実験台は全員、呪いになったよ。後は神が来るのを待つだけだ」
「全員って……零奈さん!……星空さんも……」
「……モルドさんがいるから問題無いはず……!」
黒い物体は、通路の周りに蠢く。
「……私は神?」
「ああ、神だよ。菱刈君。君は神」
「……違う。菱刈、お前は……」
エリアスが、霧ノ宮を撃つ。
「エリアス君、何をしているんだい?折角呪いの完成まで近づいたのに。殺しちゃ意味無いよ?」
「零奈さん!」
「申し訳ありません。今すぐこの者に応急処置を」
夜城は、魔法を使い、テレポートする。
博士は、エリアスを見る。
「計算通りかい?エリアス君?」
「……いいえ、全く」
「なら、どうしてそんなに笑顔なんだい?」
一方、神は。
「言ったはずだ。私は神。全ての理を管理し、無知なお前等と違う、全知全能全てにおいて、頂点。
貴様等不完全な者が勝てる訳なかろう」
抜け殻の草野と狙場は血まみれ。霊犀と千菊姫と雛田と神谷が戦える状態にいた。夢夢と明明は、神谷が創った都市に避難。
「妾が、神を妖術で抑える。その間に、奴を殺すのじゃ」
「王を倒せない奴に、神を倒す事等不可!」
霊犀は、覚悟を決める。
「太極・鳴神」
霊犀は、掌から電撃を放ち攻撃する。
神は抑えられる。
電撃は、神に直撃する。
神は黒こげになる。
すると、草野の身体が起き上がる。
「……人間の身体は嫌いでね。生物兵器ならまだマシだな」
草野に憑依した神は、巨大な虫になる。
虫は羽を使い、高速に飛びながら移動する。
「妾の妖術が、虫を定める事が出来ん……!」
「うわっ!気持ち悪っ!虫の腹って気持ち悪っ!」
「虫は、物じゃないからねっ……。動かす事は出来ないな……!」
霊犀は、電撃をそのまま拳に纏う。
「.....電撃が痛いけど、皆を助けないと....!」
雛田の能力で、霊犀を浮かす。
「私は皆の笑顔の為に戦う!」
「……状況も分からない女子高生に何が出来る!」
「だけど、今、貴方を倒さないと.....日常に戻れない事は分かっているの!」
霊犀は、電撃で虫を殴り飛ばす。
神は麻痺する。
「太極・氷笋」
神の周りのみ吹雪が起こる。
霊犀は、巨大な氷柱を飛ばす。
神は氷柱に刺さる。
「……私を殺さないのか?」
「今、殺せばまた誰かに憑依するはず....だから、今は凍って!」
千菊姫は驚く。
「人間が、神に……勝ったぞよ!?」