複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.479 )
日時: 2016/04/25 14:44
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第四十五章 名も無き屍



「おい!待て!」

「……止めて下さい!こ、来ないでくださる?」



複数の男性が、一人の少女を暗闇の中、追いかけていた。


複数の男性達の職業は、人攫い(ひとさらい)。人やアンドロイド、未確認生命体を奴隷として人身売買していた。


複数の男性は、超能力を使い、一人の少女を追い詰める。

「大人しくしろよ〜?俺達は、何もしないんだよ?お前を買い取ってくれる奴が何をするかは……知らないが……ヒヒッ」




すると、一人の男性が今の様子を見る。

「……!……」

一人の男性は、少女の現状に気付くが、見て見ぬふりをする。

少女は、再び走り、一人の男性に助けを求める。


「たすっ……わたくしを、助けてくださる?」


「……お、俺なんかが……!」



複数の男性は、一人の男性に話しかける。


「俺は、地下街の人間だ!大人しく、女を渡せ。言っておくが選択肢は無い。お前なんか、奴隷の価値すらねぇんだ。拒否するなら、この場で処刑だ」



「……え〜と……」



少女は能力を発動し、複数の男性を氷漬けにする。


「一瞬でも、油断すれば、命取っ……。命取りですわ!」


「……」

一人の男性は、混乱する。

「はじめまして。わたくしメリルルクベリュッ。……メリクルベル・レイリス・アルルメイアと申しますわ」

「あ……。初めまして。千石 京平(せんごく きょうへい)です……」


「貴方は幸運ですわね。このわたくしに会えたのだきゃ……だから!これは、奇跡ですわ!」


「……そうですか……それでは……」


「ところで、どうして、わたくしを助けようとしなかったのですか?」


「……え?」


「わたくしは、もう質問はしませんの。自分でお考えになって?」

「……理由は、私がこの国に属しており、人身売買は、黙認されているからです」


「きょの……この国に、属しているんですの?」


「私は、この国の……軍隊に属しています」




この国は、平和にも関わらず軍隊が存在していた。決して、自衛隊では無い。自分の国の平和の為に、同盟国の戦争に加担している。

意外にも、志望者は多く、男女問わず、同盟国の為、自分の国の為、日々鍛錬をしている。


ちなみに千石は、上等兵の兵士。



「……申し訳ありませんが、私はこの国の所有物。逆らえば、何をされるか分かりません……。とりあえず、今は此処から去りましょう」



千石は、メリクルベルを連れて何処かに行く。


「こんな所で、兵士に会えるなんて奇跡ですわ……!」


「……奇跡なんて、この世界にはありませんよ……」

「はい……?」



千石とメリクルベルは喫茶店に行く。



喫茶店は、ルルディが経営をしていた。


「ルルディさん。いつもの」

「分かりました....」


「わたくしは、紅茶をおひとつ」

「はい....」


「わたくし甘ったるいのは苦手で紅茶はブラックでしか飲みませんの。だから、ブラックでお願いしますわ」

「…………」




千石の目の前に、コーヒー。メリクルベルはブラックティーと呼ばれる紅茶が出される。




「奇跡はありますの。わたくしと貴方が出会ったのは奇跡ですわー!」

「……それじゃ、俺が未確認生命体と戦争をして、殺されろと言われるのも奇跡だね。……アホの子か、君は。奇跡なんて存在しない」




千菊姫と雛田 音子が総理大臣を操って、未確認生命体に奇襲をして戦争をさせようとしていた。千石は、戦争に参加する事になっていた。