複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.48 )
日時: 2016/12/27 16:39
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

黒獅子さんが話す。

「どうも此方こそ〜。戦時中なのに……御苦労様!ヒャハハハ!貴方に会えて光栄だ!ア〜ルベルトさんっ!」


アルベルトさんは話す。

「いや?別に御苦労様と言われる程働いてはいませんし光栄と呼ばれる程、活躍はしてませんよ?」

わたしは、黒獅子さんに質問する。

「あの、黒獅子さん?何者ですか?アルベルトさんって……」

黒獅子さんは話す。

「簡単に言えば、この国の全ての戦争の指揮を執っている偉大なる戦略家だね……!」

アルベルトさんは話す。

「残念ですがそれは昔の話ですよ。今はもう違います。だってもう私の国の戦争では人は必要ないのですから」

わたしは話す。

「人が必要ない?どう言う事ですか?」

アルベルトさんは話す。

「ほう?興味が出てきましたか?平和をこの無く愛する国の国民なのに?」

私達の国は、嘗て戦争で多くの人が死んだ。その影響もあり、私達の国では、戦争を今後一切しない事を他国に契約として提出。しかし、契約の条件は、戦争をする同盟国に対して、必ず金と武器を支給する事だった。私達の国はそれを許可する。その結果、同盟国が戦争に対して積極的になり、その国の1つがこのロボット技術が進んでいるこの国だ。この出来事は教科書に書かれている。

わたしは、この事に関してどうでも良いのだが、戦争には興味がある。折角、この国に来たんだから聞ける事は聞きたい。

黒獅子さんは話す。

「鈴森さーん。任務の事、忘れてるよね?まず、任務の内容が先でしょ?わざわざ、海外に来たんだから。ねえ、アールーベールート?あーひゃひゃひゃひゃ!……もう、そろそろ教えてちょーだい!」

すっかり、忘れていた……。まあ、すぐに、任務を終わらせてアルベルトさんから戦争の話を聞こう!

アルベルトさんは話す。

「任務の話は、最後にお話ししますよ。お楽しみは、最後にとっておいた方が良いでしょう?まず、最先端の戦争と言うモノをお見せしましょう」

アルベルトさんは、モニターを用意して何かのスイッチを押す。そこには、映像が流れていた。

その映像には、夥しい数のロボットが立ち尽くしていた。そして、遠くの方で、人間がこちらに走って向かっている。

黒獅子さんは黙ってその映像を見ている。

アルベルトさんは話す。

「これから、お見せするのは戦争中の様子です。敵国側は完全武装を施した人間。私の国の方は、一切人間を使わない、軍事用ロボットを使用しています。この兵器は通称『マサークル』と呼ばれています。何処かの言語で『皆殺し、虐殺』の意味が込められているんですよ」

映像には、そのマサークルが敵国側の人間を襲い、見るに堪えない映像が流れていた。

わたしは、その場から逃げだしたくなった。身体が、少しずつ震えているのが分かる。

黒獅子さんは、黙ってその映像を見続けていた。

わたしは、話す。

「こんな酷い事……。よく、平気でやれますね……!アルベルトさん!」

アルベルトが話す。

「戦争に興味があったんじゃないんですか?鈴森さん?言っておきますが、ずっと、戦争を忘れ平和ボケしていた国に生まれた貴方に、戦争について意見する資格なんてありませんよ?戦争は、如何に、どう、戦略的に、自軍が殺されず、他軍を効率的に、虐殺するか、なんですよ?マサークルは、まさにうっけつけ。ちゃんと、あれらには、脳が存在していて、自分で行動が可能です。どうやって相手を効率的に殺すか。敵の攻撃を受けて壊れそうな時も、どのタイミングで自爆するとかも……」

他にも映像には、様々な軍事ロボットが映っていた。どれも、見るに悲惨な映像だった。

アルベルトが話す。

「さて、最後の軍事ロボットです。これは、まだ戦争には起用してません。そして、今回、黒獅子さんの任務に大いに関係している実験の映像です」

映像には、美しい国が映っていた。そして、身体に傷を負っている見た目が16、7歳の女性が無表情で映っていた。そして、1つの家の前で倒れてしまった。

その後の映像は、優しそうな人達が無表情の女性を看護して、そして、しばらく経ち、傷が治っていき、優しそうな人達が無表情の女性と交流する映像が30分程流れていた。

わたしは、さっきの軍事ロボットの事を忘れ、その映像を見て幸せを感じていた。それ程、心温まる映像だったのだ。

しかし、突如映像が切り替わる。
映像には、美しい国だったはずなのに、血に塗れた醜い姿に変わっていた。胸から血が噴き出しているの男が映像の方へ駆け寄り、話す。

「おい……あんたの連れの女がっ!グフッ……!な、何を!」

バン! 銃声が鳴り響く。

そして、今度は服から全てが血まみれの無表情の女性が映像の方へ向かう。

何処からか、声が聞こえる。

「ルルディ。目標を一人取り逃がしてしまいましたね。私が処理しましたが。とりあえず、我が国へ帰ったらメンテナンスをしましょう」

この何処からかの声は、映像を撮っていた人物が、話していた。そして、映像を撮っていた人物の声から分かる。その人物は……アルベルト。

わたしは、アルベルトの狂気的な行為に恐怖と言う感情に満たされた。

私は気付く。

自分が普通であると。

本当に頭のネジが飛んでいる人を見ると人は身体が震える。

私は黒獅子とアルベルトに恐怖した。