複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.482 )
- 日時: 2016/04/25 18:48
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
メリクルベルは、千石に話す。
「奇跡を信じていれば……!」
「無駄だ。幻想なんだよ。奇跡は……この世界には無い」
「……わたくしは、奇跡を体感していますの!奇跡が無いなんて言わないで!」
「……どうせ、くだらない奇跡だろ」
「わたくしは……一度、死にかけた事があるわ。一年前、あるホテルに家族と泊まる時でしたの。
わたくし達は、車で移動していたけれど、ホテルまでの道のりが分からなくて迷っていたのよ。
旅館を車で探していた時、私達の目の前に車が猛スピードで現れ、その車はわたくし達に突っ込んできて、そのまま歩道に乗り上がり、複数の人々が、重傷、重体、死亡したのですわ。わたくしの両親はそのまま死亡。二度と起き上がる事はありませんでした。
わたくしも、意識不明でしたの。でも……この通り、元気ですわ」
「……それは奇跡なのか?」
「勿論、奇跡ですわ。素晴らしい事ですわ……!」
メリクルベルは、泣きながら笑っていた。
「……くだらないと言った事は撤回し謝罪するが……奇跡では無い……」
「奇跡を信じていれば、前を向いて生きていられるのよ!どうして、前を向こうとしないのよ!」
「……怖いからだ。奇跡や希望を信じたら……死にたくなくなるじゃないか」
「奇跡を信じていない奴に奇跡が起こる訳無いですわ!」
「……」
「自分は、生き残る、何が何でも生き残る。そう願っていれば、そう奇跡を信じていれば、叶うのですわ!」
「……無理だ。俺は、夜明けと共に死ぬ。これは変わらない。例え、君と国から逃げていたとしても、俺の身体が吹き飛ぶだけだ」
「……ううっ」
「だが、君にとって奇跡と言う言葉が如何に大切なのかが分かった。……ふっ。生きる希望を捨てずに頑張るよ」
「……わたくしは、貴方に会えた事を奇跡と思いますわ。貴方の心に、奇跡を信じる心が有れば、大丈夫ですわ。わたくしとは、もう逢えないと思いますけど、決して生きる事を諦めちゃ駄目ですわよ」
「もう逢えない……って?」
「わたくしは、国に帰らないといけないのです。新しいお父様の代わりに、家で留守番をしないといけないのですから」
「そうか……。また、会えるかな?」
「願えば、希望は生まれ、奇跡を起こし、叶えてくれますわよ!」
人々は、銃を手にして、戦車に乗り込み、戦闘機に乗り込み、夜明けと共に砲撃を開始する。
未確認生命体の方には、オベルムントと王が立っていた。
「おやおや、弱者が奇跡を信じて、負け戦をしようとしているね」
「……本当に消すんですか?」
「反撃する人間は、消していいよ。僕も久々に、暴れたいしね。七つの大罪達はお休みさせてもらうよ」
「攻撃開始!」