複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.49 )
- 日時: 2016/12/27 16:42
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
「これは……何ですか?こんな、こんな酷い事が……!」
わたしは、覚悟を決してアルベルトに質問した。
アルベルトは答える。
「あれは、実験です。1つの平和な国を、我々が造ったアンドロイド、『ルルディ』が生命が維持出来なくなる寸前から、どうやって生命維持を確保して回復をし、物理的に崩壊、破壊をする期間を調べたモノです。ルルディは我々の造った物の最高傑作ですよ。どうです?彼女、美しいですよね?」
黒獅子さんは話す。
「アルベルト。彼女には感情があるのかい?」
アルベルトは話す。
「君は、目の付け所が違うね。彼女には、感情を学ぶ機能が付いている。まあ、私は必要無い機能だと思ったのですが、製作チーム側がどうしても、と言うので特別に付けさせました。しかし、私が一定期間経ったら、学んだ感情はリセットさせていますが。勿論、制作チームには内緒で……」
わたしは、叫ぶ。
「あんな少女にあなたは、なんて事をしているんですか?!道徳心が欠落していると思います!信じられない……!」
アルベルトは淡々とわたしに向かって話す。
「あんな少女って……あれは、アンドロイドですよ?見かけが人間の美しき殺戮マシーンですよ。ちなみに、何故、アンドロイドが少女の形をしているか分かります?勿論、敵を欺くのもありますが、アンドロイドが若い女性の方が、政府関係者の受けが良かったからですよ。全く、下心見え見えですね。私から見れば、そちらの方々の方が、道徳心が欠落してますよ。人を殺戮するのに、美しさが無いといけないなんて……」
わたしは、何も言えなかった。わたしなんかに、話が通じる相手じゃない。彼こそ、普通では無い、異常な人間の皮を被った悪魔。
黒獅子さんは口を開く。
「なあ、アルベルト。ルルディの感情プログラムの中に恋ってあるか?これだけ、知りたかったんだ」
アルベルトは話す。
「有る訳ありませんよ。恋に似たプログラムもあれは、学ぶ事は可能ですが、折角、美しさも取り入れた完璧な物が、恋等と言う不要な物が入る事により、不完全な物になるじゃないですか」
黒獅子さんは話す。
「そうか。それで、肝心の任務は何だ〜?こんだけ、時間を取らせたんだ。ワクワクする任務を頼むぜ〜!アヒャヒャヒャ!」
黒獅子さんは、あの映像を見て何も思わないのだろうか?わたしは、この空間にいるのが嫌になる。
アルベルトは話す。
「任務は、明日の夜。闘技場と呼ばれる所で、さっき映像にも流れていたルルディと対戦してもらいたいんですよ。勿論、娯楽と言う事なので、死んだりしないので問題ありません」
黒獅子さんは話す。
「随分、変わった任務だね〜。でも、悪くない。僕は対戦したいね〜」
わたしは対戦なんかする訳無い。もう嫌だ。明日の夜対戦が終わったらすぐに帰る。警察はどういうつもりでこんな事をしているの?
時同じくして。
「向こうとは、時差が生じてますからね。恐らく、明日辺りで黒獅子が……」
課長が話す。
それに対して警視総監が話す。
「あ〜、そうかい。実に残念だ。早く、あの少女に殺される黒獅子を見てみたいのに……」