複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.498 )
- 日時: 2016/04/29 16:31
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
「おい!姉御さんは何処行ったんだ!」
「神に仕えている富裕層街の奴が貧民層街の我々に、スピーチしている。それでも見ているんだろ。ただ、胸糞が悪くなるだけなのにな!」
数十人の子供たちが、一つの旗の下に集まっていた。
直ぐ近くにいたギャングが騒ぐ。
「おいおい。餓鬼共!こんな所で遊ぶなよ!俺らに殺されたいのか?雑魚」
「……全く、井の中の蛙が」
「はあ?別に俺達は人を殺したって良いんだぜ。だって俺達は人間以下の存在で神に見放されたんだからよ!」
ギャングは銃を子供たちに向け放つ。
一人の少年が、念じる。
すると、ギャングの体が腐る。
「……俺の能力は、何かを腐らせる事が出来る事だ。空気も建物も人間も。心もな」
「……うがあああ!」
「俺は自分自身の心を腐らせている。そうでなきゃ、お前なんか殺さないよ」
「……うぐっ!」
ギャングの身体は腐敗する。
「こいつを、捨てておけ。気色悪い」
一方、街の裏側では。
「体が……!」
「悪いな、君達。全ては生きる為だ。奴隷になれ」
「嫌だ!助けてくれ!助けて!」
人攫いが少年少女を連れていく。
隠れていた仲間は、ある拠点に戻る。
「此処では、泣こうが喚こうが、誰も助けに来ない。神さえもな」
その頃、拠点では。
「あ、姉御さん!」
「姉御って呼ぶな!」
「イズ……」
「こんな殺す価値の無いクズを腐らせるより、生きる価値があると勘違いしているクズから窃盗した方が有意義だよ!」
「……俺はこんな時しか超能力を使えないんだよ。富裕層街の馬鹿共よりも、俺は強いのに。どうして此処に俺はいるんだろうな……」
「アンタの事なんて、どうでも良いわ。とりあえず、メンバー全員揃った?」
「メアリーとモーガンとクフリーが勝手にどっかにいったぞ?」
「……知らないわよ。そんな事」
「姉御さん。探した方が……」
「別に、私が損する訳じゃないし」
イズは、煙草を吸う。
「イズ。お前、煙草なんて吸っていたか?」
「……前から吸っていたわ。……ゴホッ。ゴホッ」
イズは煙で咽る。
「いやいや、絶対吸った事無いだろ」
「黙れっ……ゴホッゴホッ……」
メアリーがイズの元へ走る。
「姉御さん……!モーガンとクフリーが、人攫いに攫われたわ!どうしよう!」
「……人攫い?」
少年は呟く。
「今すぐ助けるぞ」
「ジルダ。お人好しは、ただのバカ。その二人が勝手に此処から何処かに行かなければこんな事にはなっていなかったのよ。……見捨てるべきだよ!」
「イズだって何処かに行っていただろ!」
「あたしはこのチームのリーダーだ。何処に行こうが勝手だよ?」
「……全く、自分に正直になれよ。お前は、優しいはず……」
「あたしは自分が大事。行くなら勝手に行けば?」
「……イズ。そんなのは強さじゃないぞ」
イズは黙って慣れない煙草を吸う。
「……」