複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.499 )
日時: 2016/04/29 17:20
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

その日の晩。

ジルダは、日中で武器を調達し、メンバーに渡す。

「イズ……」

「無駄だよ……不可能だ。その労力を反乱の時に使わないと」

「だが、仲間を見捨てる訳にはいかないだろ」

「何かを犠牲にしないと、生き残れないんだ!何の為に、この旗の下に集まったの?」



「……政府の反乱の為だ」


「あたし達、名も無き反乱軍は、進むしかないのよ……」

「だが、モーガンとクフリーが……」

「……弱者は、迫害される世界。運が悪かったと思うしか無いわね」

「イズ……!」








周りは、イズの意見に納得する。


「そうだ……。これからの反乱で誰が死んだっておかしくないんだ……。むしろ、あいつ等は幸運だったのかもな。奴隷でも死なないだけマシだ」

「そうそう!」





「……イズ、お前は」

「……大丈夫。モーガンとクフリーは生きている」

「何でそんな事が分かるんだ」

「今は反乱の事だけに集中するのよ。反乱が終わったら全て話す」

「本当だな……!」

イズは、メンバーを集合させ、話し合いをする。


「これから、政府に反乱を仕掛ける。日にちは、一週間後、国全体で大きな祭りがあり、政府関係者達も参加予定。そこで一気に富裕層街の奴等ごと……殺す」

イズのオッドアイが装着していたローブで見え隠れする。


「起こすよ、反乱。あたしたちだけで。それぐらいの力があたしたちにはある!」

場は盛り上がる。


「神に頼る事しか出来ない富裕層街を壊せ!」

「身分のせいで、俺の才能が認められなかった今までの苦労が報われる!」

「私達は強いのよ!今こそ、反乱よ!」

「何もかも殺してやる!そして、俺達で世界を創るんだ!」





イズは、旗を掲げる。


「あたしたちの、この旗がこの国の国旗だよ!」





旗の色は真っ赤に染まっており、憎しみに染まっていた。





翌日から、武器や車等の調達をしていた。

イズは貧民層街と富裕層街を遮る壁の前に立っていた。

壁は大きく、進撃する巨人も通れなさそうな感じだった。



壁の前に一人の男性がいた。

「毎度、イズちゃん」

イズは金を渡す。


「俺の前では全てが、ねじ曲がる」

壁の一部がねじ曲がる。

壁の先の景色は、家の中だった。

「この部分の壁にのみ、家に直接接触しており、尚且つ空き家。……この壁の弱点は、超能力者を全く予測していない愚かな設計を立てた事だ!」

「解説どーも」

イズは富裕層街に出る。

イズは、店に入っては、窃盗を繰り返していた。勿論、生きる為に。

決して、弱者、同じ経験を味わった者達からは窃盗はせず、富裕層街に行くのにわざわざ金を払って、窃盗していた。



店等の雰囲気は、すっかりお祭りムードだった。


一年に一度の、この国で崇められている神がこの世に来ると言った内容のお祭りである。


「神ーカムバック!神ーカムバック!」



「おお、神は偉大なり!」



「私達がこうして生きていられるのは神様のおかげです」




「神様、感謝します。神様が私達を愛しておられ、良き事の働きのためにこの問題が許されるのです。全ては神の為に」




「神じゃなくて、作物を創っている貧民層街に感謝してよ……」