複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.503 )
- 日時: 2016/04/30 14:53
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
イズは、ある人物に会いに行く。
「……宇獨 十二人(うどく とじひと)」
「疑問を持った気分はどうだい?」
「強くなった気分だね」
「そうか……。だが、この国にも、私が望む者はいなかった。可能性として一番なのは、七里さんなのだが……」
「……何?」
「いや、何でも無い。反乱が成功する事を祈るよ」
宇獨は、自分自身を殺し魂になり、何処かを彷徨う。
「充一、十二人、次は十三か……」
イズは、ジルダの所へ行く。
「……ジルダ。遂に明日……反乱だ」
「そうだな。……今さら、後には引きかえせないぞ?」
「引き返すつもりは無いよ!……ただ、あたしの心を腐らせて」
「……」
「他人を見捨て、沢山の犠牲の上で混沌の旗を掲げるのよ。その為には……」
「……心が腐っているからって、強いとは言えない。他人の痛みから逃げちゃ駄目だ。ちゃんと受け止めた上で、この世界を変えるんだ。……そうでないと、上に立つ者の権利は掴めない……」
「貴方は、本当にお人好しでバカだね」
「ああ、君と同じだよ……」
そして反乱当日。
イズとジルダ達、反乱軍は、壁の前に行く。
ねじ曲げる能力を持つ男性も反乱軍の一人だった。
「……さあ、ねじ曲がったこの世界を、変えて来い。お前等がもう一度、この場に戻った時、その時は……英雄だ」
壁はねじ曲がる。
反乱軍は中に入る。
作戦は名も無き反乱軍のメンバーが祭りで騒いでいる富裕層街を襲撃。住民を人質にとり、政府関係者と直接、取引を行い、人質救出の代わりに政府関係者を全員拘束させた状態で、貧民層街へ連れ出す。
この作戦の目的は、富裕層街の人々、政府関係者を皆殺しにする事。
交渉成立、不成立関係無く、人質も結局殺されてしまう事になる。
反乱軍は心を腐らせ、無条件に富裕層街の人々を蚊でも殺すかのように、撃ち殺す。
超能力を使う富裕層街の人々もいたが、平和ボケしていた彼等には、生きるか死ぬかの瀬戸際で生きていた人々には到底叶わなかった。
いくつかの人質を用意し、政府関係者と交渉。
「……祭りは終わりだ。さあ、選択しろ。お前達の命かこいつ等の命か。この選択で、この国の運命は大きく変わる」
「神のお言葉だ。富裕層街の人々は、少々悪の心を持っていた。よって、富裕層街の人々も、悪魔と見なす」
政府関係者達は、その場から立ち去る。
「……急いで、警察と軍隊を用意しろ。国民もろとも、爆弾で吹き飛ばせ」
「神は……我々を見放したのか……!?そんな……私は神にこんなに尽くしたのに!」
人質達は、喚く。
「……後は頼みましたよ。イズさん、ジルダさん」
この結果は、想定内。イズとジルダは、この混乱の中、全ての元凶である大統領の元へ行く。
大統領は、窓ガラスの先の世界を見ていた。
「……クーデターか。前にもあったな、流行りかい?」
「それ程、腐った国が多いんだよ。あんたも一回腐ってろ!」
「君達の考えは、強者こそが、この世界の中心にいるべきだと考えているのだろう?だが、私はその強者なのだよ。君達は弱者。
私の能力は、私の考えに強制的に扇動させる事が出来る能力だ。
つまり、人の気持をあおり立てて、ある行動を起こすようにしむけることが、出来るんだ。
皆、神は信じるだろ?その気持を煽りたて、神を崇拝させる、尚且つ、人は差別をしたがる。上の者ほどね。人間は平等なんて望んでいないんだよ。そう言う気持ちも私が煽り立てている」
ジルダは、能力に支配される。
「……きっかけさえあれば、人は変わる。ジルダ君、君の小さな憎しみを大きな憎しみに膨れさせてあげよう」
「前から、思っていたんだよ。イズ。……俺はお前のメンバーの皆から愛されていない。こんなにも、お人好しな性格を演じたのにな。どうして、悪ぶっているお前が愛されているんだ?」
「ジルダ?」
イズは、銃をジルダに向ける。
銃は腐る。
イズは、時間を止める。