複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.530 )
- 日時: 2016/05/10 16:24
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
一方、アポロンは。
「奏雲ちゃん。君の能力で、犬山の病を治してくれないかね?」
「……病?」
アポロンは、事情を説明。
「……原因不明の病気や、死ぬ確率が高い病気は、奇跡を起こせるには、大分犠牲が必要」
「犠牲?」
「有り得ない事が有り得るようにしないといけないから、それだけの犠牲は不可決……」
「そうなのか……今、私の可愛い可愛いブロッサムちゃんを一人にさせているんだ。早く、対処しないと……!」
「……でも、ブロッサムちゃんなら大丈夫だと思いますよ」
「原因不明の病では、能力は適応されないんだよ」
「彼女の清い心は極悪人も改心させます」
犬山は笑う。
「処方だと?何も触れていない君が、能力を発動したとは思えないけどな」
「私は花がとても好きです。特に、私の名前と同じように、ブロッサム。私の名前のブロッサムは桜って意味があるんですよ」
ブロッサムは、窓を見る。
そこには、美しい桜が咲いていた。
この世界では、植物や食べ物の、品種改良が画期的に進んでおり、一年中咲く観賞用の大きな桜が売っている。
アポロンが、この国に来た時に、ブロッサムの為に買った桜。
犬山は、桜を見て涙を流す。
「……?何故、涙が……」
「貴方は、心を取り戻したんです。人に必要な心を復活させたんです」
「俺は……なんて事を……してきたんだろうか……」
「大丈夫です。心から反省し行いを改めるのなら、あなたにも幸せになれます」
「ああ……」
アポロンは、奏雲に語る。
「桜の花言葉って知っているかい?」
「さあ?」
「優雅な女性 純潔 精神美等の言葉だよ。ブロッサムちゃんに相応しいだろ?」
「そうですね……。それより……ブロッサムちゃんが……危ないんじゃ」
「そうだったよ!可愛いブロッサムちゃんがっ!!!」
犬山は、無闇とルサンチマンを解放した。
「人間共に、生きる事を操作された花等に感動するとは、堕ちたモノだ」
大男が無表情で桜の木に、立っていた。
大男は、窓を割り、ルサンチマンを蹴り飛ばす。
無闇は、その音で気が付く。
「……此処、何処?」
犬山は驚く。
「お前は……!?」
大男は、無闇を殴ろうとする。
無闇は、咄嗟に避け部屋の隅に行く。
「争う人間共が怖い。どうして……争うんだ。神さえも」
ブロッサムは、無闇と共に部屋の隅に行く。
照山は、構える。
照山は大男を殴る。
「……!人間にしては、強い。アンドロイド……いや、また別の生命体……」
大男は、照山に襲いかかろうとする。
ルサンチマンが、大男を止める。
「おい、犬山!こいつに攻撃を……」
犬山は呟いている。
「お前が……どうして?」
大男は、ルサンチマンを窓の外に投げる。
ルサンチマンは、地面に叩きつけられる。
「……まずい。予定が狂ったな。この場で殺すつもりは無かった」
大男は、窓から飛び出し、遠くへ消える。
「……間本!」
ブロッサムと照山と無闇は、ルサンチマンの元へ行く。
途中、アポロンと奏雲も合流する。
ルサンチマンは、大量出血で死ぬ直前だった。
そんな状態で、外に放り投げられたら、死ぬのは当然である。
奏雲は、歌うが反応は示さない。
ブロッサムは、彼の体に触れるが反応は示さない。
無闇は、ただ見ていた。
助けてくれた恩人が、人間。
そして、その人間が死にかけている。
無闇の頭の中は、混乱していた。