複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.531 )
日時: 2016/05/10 17:51
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

「あなたの愛する人の命、救うことができませんでした……ッ 本当にごめんなさい!」

ブロッサムとアポロンは、ルサンチマンの付き添いに謝る。

「……小木……」


犬山も、謝る。

「俺が、怪我をさせてしまったせいで……申し訳ない」


無闇はルサンチマンを見る。


「彼は……僕を救った。人間なのに……彼は何者なの?」

アポロンは、無闇の頭を触る。


「彼は、ヒーロー。正義の為に、勇敢に闘い、悪を改心させようとした者だ」



「ヒーロー……」




無闇は、草野を思い出す。


「草野も、闘っていて、ヒーローだった……。僕は……逃げてばかりだ」








照山は犬山の心を覗く。



「綺麗な桜。純粋な反省と希望が見える」









月丘は起き、事情を知る。


「……寝ている間にそんな事が……」

「リーダー。悔やまないで……」


奏雲は月丘を、慰める。







ルサンチマン、改め、小木 修一郎は死亡。


彼は遂に、親と再会は出来なかった。




しかし、一人の悪人を更生したのは、確かである。











「おらっ!良いから、早く金出せや!クソジジイ!」

「止めて下さい……止めて下さい……」

「どうせなら、陸田組に放り込んでやろうか!」

「嫌だ!」

「黙れ!」



突如、それはビルの上から現れた。




「俺の名前は、正義のヒーロー!ルサンチマン!」

周りに火が現れ、演出する。


「この世界に、傷付いた人いれば、助けに行くのが、ヒーローの矜持!

神が見捨ててもルサンチマンは見捨てない!

タフでクールなナイスガイ!

全ての者に幸せを!」



「おい、あれ、見てみろ。ルサンチマンだぜ」

「あの、クソ弱い?うわー本当にいるんだ。キモっ」




「畜生……決め台詞の時は、黙っとけ!」


犬山は、ビルから飛び降りる。

犬山に向かって、蔦が伸び落下直前で止まる。


「……小木に代わって、この町を守る。それが、俺の罪の償いだ」









無闇は、ビルの上で、蔦を動かす。




「アポロン。ヒーローって何?」


「ルサンチマンの様な人の事だよ。君が倒れている時、人攫いに奴隷にされそうな所を、ヒーローが全力で守ったんだ」

「……ヒーローは、誰と戦うの?」

「誰とも戦わないよ。大切な人達を守るんだよっ!そして、傷付いたヒーロー、ヒーローが守っている民を、癒し治すのが、私達、医者の仕事だ。子供でも、大人でも、奴隷でも、権力者でもね」



「先生。良い事言いますね」


「そうだよね。だから、おっぱいをもんでいいかな?」

「ふええええええええっ!?」





医者と患者達は、皆でゆっくり、苺のケーキを味わっていた。

貧民層街の人々も、富裕層街の人々も。

月丘は、笑う。


「この世界に相応しい秩序だ」


「そう言えば、月丘君って、ファントム君って知っているよね?」

「……!」

「ファントム君はブロッサムちゃんをモデルにして私が整形してあげたのだよ。あの子、顔が綺麗になって自信もついたのか、今では暗殺部隊の参謀役として活躍しているそうだよ」


「参謀役……。まさか、あれ程の地位があったとは……。と言うか、整形していたんだ」