複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.537 )
日時: 2016/05/11 16:34
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

そして、また一人の少年も良くも悪くも、変わる事になる。





大神と陸田は、帰り道、骨を砕く音と、悲鳴が響く声を聞く。




「……陸田。行くぞ」

「分かった……」



二人の目の前には、万力で自分の頭を粉砕する土田の姿があった。









「……おい、君!?」



「最高ッ!もう、このまま死んでも構わないっ!!!!これ以上、無いご褒美だっ!!!!!!!」





土田は、気絶する。



大神は、土田を運ぶ。


「陸田……!」

「警察に連絡する……」

「おい、この状況はどう考えても、俺達が犯人にされると思うぞ」

「はあ……?」

「それに、警察は動かない。貧民層街で殺人は当たり前だからな」

「……でも、此処はまだ治安は良い方だぞ?」

「甘いな……」

「じゃあ、どうするんだ?」


「サイボーグ手術をする。事態は、かなり深刻だ。脳髄まで破壊されている可能性が高いからな」

「お前、サイボーグ手術なんてした事あるのかよ?」

「俺の手をサイボーグにすれば、問題無しだ」

「部品は?」




大神は、陸田に指を刺す。


「お前が、創れ」


「……そんな!?」

「少年の一人の命が懸っている。もしかしたら、もう大量出血で死んでいるかもしれないな!」








大神と陸田は、土田を運び、サイボーグ手術をしようとする。


「その前に、俺の腕を切れ」

「……痛みを感じないように、麻酔を撃ったが、俺の部品がお前に合うかどうか何て分からないんだぞ!」

「お前は、天才だ。問題無い」

「それに、違法サイボーグは犯罪だ!する側もされる側も!」

「……犯罪か。なら、こいつを見捨てるのか」

「……」

「この世にルール等不要。混沌が有れば良い」

「……混沌?」

大神は自らの腕を自分で切る。



「混沌は絶望を生む。そして、絶望から希望が生まれるんだ。絶望が無いと、希望なんて何もないんだよ」





大神は、サイボーグになる。


「この腕なら、医者にも負けないね。知識が無くても、腕が勝手にプログラム通りに動くんだから」



大神は土田にサイボーグ手術をして、一命を取り留める。





扠武澤は、大神の腕を片付ける。


「燃やします?」

「剥製にしてくれ」

「趣味悪いですね」

「家に飾って家宝にするんだ……!」



陸田は、大神の変わり様に驚く。



「小木よ。この世界を混沌にして、理不尽と言う言葉を無くしてやるからな」




土田は、その後初めての部下として成長する。





「あり? 白咲さんじゃないですか どこ行ってたんですか」

「ちょっと、大学の説明会の方にね」

「何でです?」

「大神さんと、同じ職場にいたくてね……」

「ありゃりゃ〜 やっちまいましたね〜 気色悪い。大神信者は怖い怖い!」






土田は、大神の考えに賛同していたが、大神自身が、混沌にあまり乗り気では無い事に気付いていた。




「陸田さん、その格好どうしたんですか?」

「オヤジが、死んでね。どうやら、俺が引き継ぐみたいだ。陸田組をね」




喫茶店に、坂本と川瀬が来る。


「……お迎えに来ました。坂本と申します」

「チィース。川瀬です!」


後に、陸田組は、違法サイボーグ集団になり、この地域を支配する事になる。



土田は、本来の思想とかけ離れている事に疑問を抱く。



「陸田組って何ですかね……。数がいれば良いってもんじゃない気がしますけどねー……」



土田は、ガムを噛む。





土田に向かって、陸田組の部下達が話しかける。

「おいっ止めろって……押すな!」

「何すか?」

「あ……え〜と……どうして、夏なのに、黒いロングコートと手袋をしているのかなーって」


「腕出したら一発でばれますもん」


土田は、機械丸出しの腕を見せ、部下を一人殴る。


「ちょっと、何するんだよ?!」


「ブフッ……アヒャハハ!!! マジですか〜。あのさ、俺の事、年下だからってなめてるでしょ?」

「……お前だって、俺達の事なめてんだろ?」

「上司に、お前って……!ヒャハハハ!」


部下達は、頭に銃を撃つ。

「餓鬼が……俺達に生意気言うじゃねーよ。前から気に入らなかったんだよ!」


「残念賞〜 俺実は頭までネジ入れてんですよ。だから、金属に覆われて、銃弾なんて効かないんすよ」



土田は、部下達を殺す。


「……自分を殴りたくなっちゃった。ガム噛めば、収まるんすけど」














土田は、黒獅子に過去を話した。



「それじゃ、次は黒獅子さんですよ?」

「分かったよ……!」





安藤が、隠れながらメモをする。

「中々の情報ッスね〜……」







後に土田は、金で大神を裏切る。



そして、白咲の話から出ていた名も無き教団に入団し、幹部に成り上がる。







「……此処なら、俺の思想と合っているかも知れないですね〜ヒャハハハ!」





















「俺、土田桃李でーす。好きなものはガムとピアス開けることでーす」





彼は、名も無き教団で、自己紹介し、教祖達と出会う。





彼の頭の仲は、機械仕掛けで、感情が無くなっている。

且つ、常に正しい判断が出来る装置を組み込まれている。









土田は大神の家の中で、話す。

「サイボーグの極秘の技術を手に入れてどうするんだ?とか考えていたんでしょうけど、僕はお金儲けに利用しちゃいます〜!それじゃ、もう用済みなんで死んでくださーい!」

バン! 銃声が響く。




大神に向けられた銃弾は、肩に当たる。


大神は気絶する。



「おかしいね〜。サイボーグの手元が狂うなんて!頭の中では、ちゃんと、心臓を狙ったつもりでしたのに」








土田は気付かない。自分の心に。



決して、傷付かなかった心が、彼のこれからの道を変える事になるかもしれない。


しかし、痛みを超越してしまった今の土田に、他人の痛みは分からない。


外伝 痛み無き青年 完

場面変更

次へ続く