複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.557 )
- 日時: 2016/05/14 16:04
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
香川は恋色羽の傷の手当てをする。
香川はテレビのニュースを見る。
「最近話題になっている奴隷ごっこ。学生が学校で独自にカースト制度を設け、身分が下の者を奴隷のように扱うと言う事が多くなってきました」
「ええ、本当に心が痛みますね」
ちなみに、奴隷ごっこも香川が教授になる現在も続けられており、嘗て、五十嵐 蒼が比嘉 友未に受けたイジメもこの類に入る。
恋色羽は目覚める。
「此処は……?」
「私の家だ。君の能力に興味があってね」
「とか言って僕の能力を利用して、来世を望む姿に変えたいのかい?」
「小学生で来世を考える者等、ただの厨二病だ」
「そうだね。君が大人っぽいから、つい……」
恋色羽は自虐する。
「僕はもう嫌なんだ。怖いんだ……!」
「君の能力を詳しく……」
「黙れ!お前に教える事は無い!ああああああああ!!!!」
恋色羽は泣き始める。
「情緒不安定か」
「僕は永遠に死ねない。永遠に幸せになれない……。命の重さを感じられない……」
「……」
「どうして、僕はこんな能力を手に入れたんだよ!もう嫌だ!……この世界を壊せば、僕は死ねるかな?ねえ、教えてよ?」
「私は無知だ」
「教えろ!頭良いんでしょ?」
「とはいえ、小学生だ」
「この世界の壊し方を教えてよ……」
恋色羽は続けて呟く。
「終わりがあるから人生は美しい。僕は、終わりが無い。僕は醜い。こんな能力なんか持ったから。嫌だ!……嫌だ、嫌だ!」
恋色羽は頭を抱えながら暴れる。
香川は見守る。
「私には見守る事しか出来ない。申し訳ないね」
「僕はもう、全て諦めているよ。僕は幸せになれない。なら、全部壊そう。皆、永遠に輪廻の世界で流転してなよ」
香川は見守る。
「……でも無駄さ。ずっと前の前世で一回試したんだ。そしたら、未確認生命体が僕を殺しに来た。
何も無い世界で存在をない事にされた。
僕は自害をして何とか、転生出来たんだけどね。
この世界は壊れないように出来ているんだよ。
壊したいのに!
壊れろよ世界ィイィイィイィ!!!!!!」
恋色羽は再び暴れ、傷口から血が噴き出す。
「僕は、前世で、爆弾を創ったよ。日常で使えるモノで爆弾は出来る。そして、僕を嫌っていた奴と一緒に自爆したんだ」
恋色羽は窓を割り呟く。
「また、次の僕で会おうね。さよなら」
恋色羽は飛び降りる。
骨の砕ける音が聞こえる。
恋色羽は叫びながら窓ガラスの破片を持つ。
「僕を侮辱する事は死刑以上の犯罪だ!!!!僕と同じ様に永遠に彷徨え!!!!!壊れろ!!!!!」
香川は散らかっている部屋を片づける。
「変わった者もいるもんだな。冗談にしても面白い。しかし、イジメは怖い。精神さえも崩壊するのだから」
香川は輪廻転生を信じていなかった。
しかし、彼と出会った事でオカルトにハマり、後に大山と出会う。
その後、恋色羽は奴隷ごっこをしていたいじめっ子を窓ガラスの破片で刺す。そして、自分も殺す。
「犯罪を犯したから今度の世界は……。でも、前世のケースもあるからなー」
呟きながら、何度も自分の腹を裂く。
「畜生……生まれ変わりたいよ……!」