複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.57 )
日時: 2017/01/07 16:19
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第六章 名も無き永遠

生命は、途方も無い大きな時間の中で生きる。時間の中で始まり、時間と共に過ごす。

生命が死命と呼ばれる時、生命は恐怖に怯える事だろう。まだ生命でいようと足掻き、時間にしがみ付く。それが例え、自ら生命を望んだとしても。それが例え、自ら死命を望んだとしても。

いずれにしても、生命は必ず死命と呼ばれる時が来る。いずれにしても、時間の中で終わりを告げる時が来る。生命は永遠では無い。そして、時間は永遠に有る。しかし生命達が過ごす時間は永遠では無い。

そして、欲深き生命は夢を想う。時間と共に生き続けて、死命と呼ばれる事も無く、永遠に時間と呼ばれる途方も無い大きな世界の中にいようと……

少女は呟く。

「私は籠の中の鳥。ねえ、誰かここから出して……?誰か私を殺して……?」
少女は時間と言う籠に囚われた。何時からなのかも分からない。気付けば時間の中に捕らわれた。つまり、少女は15歳の時に不老不死の能力を手に入れたのだ。本来なら大喜びである。何故なら、死を迎える事無く、永遠に自分として生きる事が出来、欲深き生命の夢を叶えたのだから。しかし、現実と理想は時に大きく違う時がある。

夢は夢のままの方が良い時もある。

少女は、今日も時間の中に生き続ける。死ねない能力を噛み締めながら。