複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.578 )
- 日時: 2016/05/18 16:41
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
セドは鈍く崩れ落ちる。
サラマンデスは、落ちるセドを見続ける。
「お前も人間も我らの思想と分かり合う事は無いだろう。我らを知ろうともせずに異端者を弾こうとする不完全さ。この者たちと、共存を目指していた自分が恥ずかしい。……シーザー。お前は……何故」
すると、国中にサイレンが鳴り始める。
「此処は、立ち入り禁止区域になりました」
人々は次々と避難し、戦車や戦闘機、ロボットが現れる。
「お前たち人間は私利私欲を肥やすことできない愚かな種族だ。実力もない癖に集団を作り、自分たちと異なる種族を恐れ、排除しようとする姿……今も昔も変わらない」
サラマンデスは、戦車や戦闘機に挑む。
少し前に遡る。
サラマンデスは翼を広げ、呟く。
「シーザーの所へ警告をする。何も言わずに世界を滅ぼせば、卑怯だと思われるからな」
「勝手にしたまえよ。滅ぼされる者等の評価は始めから気にしていないんだけどな」
銀色の肌に黄金の瞳、6本の筋肉質の腕を持ち、背丈は30メートルほどのサディスはそう言って、とても大きい玉座に座る。
サディスは世界を見る。
「全てを滅ぼせば無駄な争いは消えるんだよ。全てを滅ぼせば、皆、救済されるんだ。苦痛や欲望、絶望から解放される」
王の世界では、タブーとされている言葉があった。
それは、サディス。
その言葉を口にした者は、処刑されていた。
「サディスクラブは、最大の敵だ……と、彼等に思い込ませるんだ」
王はオベルムントに笑いながら話す。
「……サディスさんの事は私は知らないのですが……」
「そうそう、だから、教えてあげるよ。兄であるサディスのこれまでの言動を」
王が、王になったばかりの時、サディスとサディスクラブのメンバーを追放し、社会的に抹殺させた。
「未確認生命体は、本来一番上であるべき生命体のはずが、サディスはあろう事か、人間と共存を目指しているなんて、何と恐ろしいのか、あの兄は!」
「でも……共存出来ると思いますけど」
「オベルムント。甘いよ……!きっと、彼は本性を見せるさ……!」
サディスは、全てを信じていた。人間が変わる事、王が変わる事。
しかし、何も変わらなかった。
そして、サディスが変わった。
「この世界を正しい方向を向かわせるよ。何、簡単な事だ。この世界をリセットさせれば良いだけなんだから」
サディスは、世界を滅亡させる事を決意する。