複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.6 )
日時: 2016/11/29 14:49
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第一章 名も無き高校

俺の名前は卯敷 登也(うずき とうや)。

今日からこの名も無き学校の教育実習生になる。……結構緊張している。

始めて入る職員室の扉を手を震わせながらノックをし扉をそっと開ける。

「こ、こんにちは。卯敷と申します。え〜、真面目ながらも一生懸命頑張りますので宜しくお願いします!」

普段、こんな事は言わないしかなり恥ずかしい。いつもなら自己主張をせず他人と話をせず周りの意見に押し流されるみたいなタイプだが今回、折角先生になると言う事なので、他人と積極的に話すと言う事を自分の心の中で決意していたのだ。
すると、一人の…男?の人が俺の方に話しかけて来た。

「ど〜も、君が卯敷君?僕の名前は、白咲 千秋。宜しくね〜。とは言っても君と同じ教育実習生なんですけどね」

彼は俺に笑顔を向けながら話す。緊張していなければ気味が悪く憎たらしくなるが今の自分にとっては安らぎを与えてくれた。

確か……俺の授業を担当する教室は5組だな。何年生だったのかは忘れてしまった。後で確認をしてこよう。

白咲さんが俺に何か書類を整理しながら会話をする。

「ねえ、卯敷君って、超能力者?強化人間?……それとも、サイボーグだったりして」

……サイボーグは法律には書かれていないがタブーとされている。認められているのは義足等の人のみだ。まあ、最近はわざわざお金をかけて、元々あった脚等を切り落としてサイボーグにする事があるみたいだ。禍々しい世の中だよ。

しかし俺はそう簡単に他人に能力を話す主義では無い。秘密主義と言ったところか。

「すみません。俺、授業の見学をするので……」

俺は5組の教室に向かった。5組の教室に行くのも緊張する……。

5組の教室は、騒がしかった。教室が超能力で溢れかえる。ちなみに授業中は超能力が授業妨害になる恐れがある為超能力が禁止されている。……実際、超能力が使える機会は少ない。日常生活に役立てる超能力なら機会があるとは思うが、大抵の超能力は、相手を傷つける物ばかりだ。いや、我々人間がそういう風に超能力を使用しているだけか……。良い様に使えれば便利なんだがな。


授業や休み時間の見学をして、俺は一人の女生徒が気になった。

名前は、見境 紬。

彼女だけ超能力を発動している所を一回も見た事が無い。会話も……。


一人の女子、一之瀬が見境に話す。

「見境さん!いい加減、あなたの持っている超能力が何なのか言ってよ!」

「……別に、あんたに言う必要は無いし、超能力とかあたしに発動しないでね?と言うかまず、超能力の話題をあたしに言って来ないで」

続けて小声で見境は呟く。

「なんで、何回言っても分からないのかなあ」

というやりとりが続くだけ。超能力を隠しているのか元々超能力が無いのか……しかし、超能力が無いと言うのは珍しいな。もしかして……。

そんな、ある時。

いつもの通り見境と一之瀬がいつものやりとりをしている。しかし今回一之瀬が何だか苛立っている。

「……そんなに超能力が何なのか教えないなら、無理やり超能力を発動させてやる!」

一人の女子は、何か構えて超能力を発動しようとしている!これは……助けないと!

見境は話す。

「あたしは平和に生きていたいの。今日と言う日が普通で当たり前なら良いのに。……余計な事しないで」

一人の女子が叫ぶ。

「うるさい!少し可愛いからって調子に乗るなよ!…あんたさえいなければ!!星空が……!!うああああああああ!!!」

俺は叫ぶ。

「止めろ!…超能力発動。ブローオフ」

俺の超能力は、8メートル以内の特定した対象物にのみ吹き飛ばす事が可能。
特定した対象物は一之瀬。
一之瀬との距離は7メートルくらいだ。一之瀬は吹き飛ぶ。

「超能力解除」

解除すると超能力が解ける為吹き飛ぶのを止める。ちなみに吹き飛ぶ範囲は壁か障害物に衝突するまで。

見境さんは何時の間にか教室の外に出ていた。逃げ足と、反射神経は良いみたいだ……。

俺は見境さんに話しかける。

「君は……見境さんだね。一体何か起こったのか説明してくれない?」

見境さんは俺とはまったく別の方向に話す。

「あなたは……いつもこの学校の学生に絡まれている教育実習生の白咲先生?」

何時の間にかいた白咲先生は話す。

「うん?確かに僕が白咲だけど?……卯敷先生が、遂に何かしらの能力を使用したのかな?」

白咲さんが俺を笑顔で見ている。

本能が察する。白咲は危ない。俺の身に限りなく恐ろしい事が起こる予感を。