複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.601 )
日時: 2016/05/21 14:46
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第五十四章 名も無き興隆


嘗て昔、未確認生命体と人間は共存していた。



巨人に小人、妖怪、妖精、ドラゴンや、スライム、悪魔に天使。まるで、ファンタジーの世界。


人間と未確認生命体は、奇妙なバランスを保っていた。



争いは無く、完璧と言っていい程の、秩序が保たれていた。


欲を求めず、争わず、皆で手を取り合って幸せに。



誰もが皆、ハッピーエンド。

サディスは世界を見る。


「素晴らしい、差別が無い完全な世界だよ」

サラマンデスは世界を見る。

「このまま成熟すれば、人間達は必ず我らと共に、手を取り合えるだろう」

ハーデスは世界を見る。

「しかし、人類は進化を止めないだろう。その行く末を考えるべきだ」

フレデリックは世界を見る。

「確かに、悪人が増えているよ。でも、僕の能力で改心させる。だから、問題無いよ」

シーザーは世界を見る。

「この世界に正義は必要無い。何故なら、悪はいないのだから!」

王は世界を見る。

「……おいおい、何故、サディスだけが慕われるんだい……?」


そして、人間は言う。


「どうして、僕達と違って、あの人達は、ツノやキバが生えているの?」



人々は、進化するにつれ、脳が発達し考えるようになる。そして、欲を求める。





人間は争いを始め、差別を始める。



サディス達は、世界平和を願い人間と未確認生命体の交流に尽くす事になるが……。