複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.611 )
- 日時: 2016/05/23 16:07
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
フレデリックは、王の世界へ向かう。
そして、サディスは。
ベルゼバブと、狭い牢獄の中で戦っていた。
「人間、未確認生命体、アンドロイド!全ては私が滅ぼす!!真なる平和のためになァ!!」
「貴様のその判断で、幸せだった者が不幸になるんだぞ」
「私は救済すると言っているんだよ。大人しく従ってくれよ。なるべく、苦しまずに救済するからね」
ベルゼバブは、羽を外し、剣に変える。
「……お前は勝てないんだ。どう足掻いても」
「何故だ……」
「ははっ……俺もお前に勝てないけどな」
「……?」
一方、シーザーと王は。
シーザーは王に斬りかかるが、王はテレポートをして避け続ける。
王は、笑いながらシーザーを挑発する。
「シーザー君。これからお前の首をサディスの所へテレポートしてあげようか?嫌なら、僕の部下に成るといい。その剣で、サディスを殺すんだ。そしたら、王に逆らった罪は無かった事にしてあげるよ」
「……私の剣は、正義の為だけに使うんだ。王の為ではない!」
「なら、これならどうかな?」
王は、何かの巨大な装置をテレポートで出す。
「これは、重力波干渉砲と言ってね。撃てば、忽ち、あそこの牢獄が消えてしまう恐ろしい兵器なんだ」
「私が叩き壊せば良いだけだ!」
「動かない方が身の為だ。お前の腕、全部消すぞ」
「……!」
オベルムントは、王の目の前に現れる。
「止めて下さい!国王!」
「おやおや、オベルムント。どうしたんだい?」
オベルムントは泣き始める。
「どうして……」
「僕は、サディスと言う悪者を殺そうとしているだけだよ。世界が滅んじゃうだろ?早く、どいてくれよ」
シーザーは驚く。
「……あそこにサディスが?何故、牢獄に?」
オベルムントは、王を止める。
「サディスさんは、貴方の兄ですよね?……どうして……悪者って……家族じゃないですか」
「家族でも、悪者は悪者だ。世界滅亡のシナリオを僕は変えないとね。と言うか、家族が兄を更生しないと駄目じゃん!僕、良い事しているんだよ!」
「なら、もっと早く更生すれば良かったじゃないですか。私は、ずっと貴方が変わり、サディスさんと仲直りする時を待っていたんですよ!」
「ねえ、どうして、僕とサディスの関係を知っているんだ?」
「……え」
オベルムントは、暗殺部隊 ドライアドのスパイ。王の監視と共に、王の事を、密かに調査していた。
「貴方は、サディスさんを更生では無く、滅亡させようとしているんですよ」
シーザーは 重力波干渉砲を斬ろうとするが、王がシーザーの下半身をテレポートさせる。
シーザーは、上半身だけになる。
「……!?」
「僕の計画は誰にも邪魔させないよ」
王は叫ぶ。
「全く、僕は良い事をしているんだ。世界を滅ぼそうとするサディスを殺し、世界を滅ぼさない様に頑張っているんだよ?」
「違います。貴方は、サディスさんを苦しめたいだけです」
「……でも、結果的に世界は滅ぶ事は無い。僕が正しいんだ。オベルムント、良い子なら分かるよね?」
「私は、サディスさんを更生させたいんです」
「世界が滅ぼそうとする奴に、慈悲はいらない!」
「私は、実験をしました」
「……?」
「私はこの王の世界から、逃げ出したい未確認生命体を全て逃がしました」
「それじゃ、キミがルメール、ノヴァ、ヴァイオレッタ、ゼロ、ムトー等を逃がしたのか……!」
「そして、彼等の人生を私は見ました。皆さん、良くも悪くも自分のやりたい事に全力でやっていましたよ。好きなように、恋とかもしていましたよ」
「……何が言いたいんだい」
「誰でも、変わる事が出来るんですよ。何でもかんでも、監禁したり、籠の中にいれたり、管理したりじゃ、何も出来ませんよ?」
「君は、サディスを殺さずに、ちゃんと話し合いをすれば、世界が滅ぶと言う事は無いと考えているのかい?」
「はい」
「でも、人間はどうするんだ。元々の元凶は人間だよ」
「人間も、話し合えば分かります!」
「分かり合えないから、サディスが世界を滅ぼそうとしているんだ!世界は一つになれないのさ」
オベルムントは、王に殴られる。
シーザーは動けない。
「止めろ!何故、お前は変わらないんだ!お前が変わっていれば、サディスだって、変わらなかったんだぞ!全ての元凶は人間では無く、人間をまともに見ようとせず、人間を変えなかったお前じゃないのか!」
「シーザー、サディスの呼びかけで変わらない人類が、どう足掻いて変わるんだ。僕はサディスを殺し、これからも人間を……見守るよ。だって、僕はこの世界のキングだから!」
王は、重力波干渉砲を牢獄に撃つ。
「……人間だって、変わっているんだ。何故、分からない。王、サディス!」
世界規模では、嘗ての人格者サディスの呼び声に聞こうとはしなかった。
しかし、実際は聞かなかったのは、富裕層街の一部であり、貧民層街ではサディスクラブの指示が大多数だった。
しかし、サディス達は、一人一人の人間を見ず、一つの世界しか見ていなかったのだ。
一人でも、誰かが変われば、その一人の世界は確実に変わっていた。