複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.63 )
- 日時: 2015/12/24 19:10
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
朝、起きるとそこには聞こえるはずの無い、話し声が聞こえるのです。ずっと、孤独で生きていた男にとってそれは異様としか言いようがありませんでした。
俺は、話し声のする部屋へ向かった。
「お、おはようございます……。陸田さん、七里さん」
七里さんは話す。
「……誰なの?」
陸田さんは七里さんに向かって慌てて話す。
「ああ……!紹介していなかったね!言い忘れていたけど、昨日から七里と同じ様に居候する、五十嵐 光成君だ!」
七里さんは警戒しながら、こちらを見ている。
何故、陸田さんは俺の事を七里さんに説明しなかったんだ……。
さて、それより早く制服に着替えて学校に行こう。此処からだと、駅に乗って行けば学校には着ける。此処から駅までの道は分からないけど。
俺は話す。
「陸田さん。此処から駅までの道を教えて下さい」
陸田さんは嫌そうな表情をして、話す。
「用事があるから無理だ。七里!五十嵐と一緒に駅まで連れて行け」
そういえば、七里さんって俺の通っている高校の制服と同じだな……。と言うか七里さんって高校って通っているのか?いや、通っているから制服を着てるんだろ。
七里さんは、話す。
「うん、分かったよ……」
七里さんは明らかに俺に対して、警戒している。まあ、こちらも同じだが……。
俺は、七里さんと駅まで歩く事になった。
俺は、七里さんの超能力が知りたい。俺よりもマイナスだと言う能力を知りたい。しかし、七里さんは俺に強く警戒しているので聞こうにも聞けない。
その時だった。
俺の頭の上に、鳥のフンが落ちて来たのだ。まあ、毎日3回くらい頭に当たるので慣れてはいる。
俺は制服のポケットに入っているハンカチを取りながら呟く。
「あ〜、俺って本当に最悪な超能力を手に入れたな……。何で、俺はこんな超能力なんか!」
七里さんは、呟いた俺に対して話す。
「最悪な超能力?……だったら私の方が最悪だと思うよ。だって、ずっと死ねないんだから」
俺は対抗して話す。
「死ねない?だったら、俺だって強運のせいで、どう足掻いても死ねないんだよ!」
七里さんも、対抗して話す。
「強運?何を言っているのか分からないけど、私の方が絶対に最悪な超能力だと思うよ」
突然、俺の肩に女子がぶつかって来た。
俺は話す。
「おい、一之瀬!ちゃんと、前見て歩けよ!」
ぶつかって来た相手は、一之瀬 燈という女子。クラスは違うが同級生だ。一之瀬は俺を睨みつけ、何も言わずに駅の方へ向かって行った。中学から一緒だから、分かるが、あれは多分、失恋でもしたんだろう。
いきなり七里さんは、話す。
「とにかく、私の方が最悪な超能力を手に入れてしまったの。貴方なんかよりも、ずっと辛い思いを抱えている!」
七里さんは、泣きそうな顔になっている。
俺は戸惑いながら話す。
「そ、それじゃ……。もう駅見えたから、七里さんも高校へ登校しないと……!」
七里さんは、喫茶店の方に向かって行った。
今、思ったが一之瀬の着てた制服と、七里さんの着てた制服が同じ制服だ。と言う事は、七里さんは俺の通っている高校に入学していたのか!でも、彼女を学校で見た事無いし、さっきも、俺の通っている高校とは別方向へ向かったからな……。
一方……。
陸田は七里に話しかける。
「七里……。どうした?」
七里は話す。
「五十嵐って……どんな奴?どんな超能力を持っているの?知っている事全部話して。そして、私の方が最悪な超能力だと言う事を証明させて、今度は五十嵐を泣かせてやる……!」
陸田は話す。
「なあ?学校には行かなくても良いのか?折角、大神に頭下げて、特別に七里の入学許可取ったのに……」
七里は喋る。
「気分が良かったら、行くよ……。多分」