複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.636 )
日時: 2016/05/27 17:05
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第五十六章 名も無き万屋



街角を辿れば、同じ景色に辿り着く。
人々は、それを繰り返し、つまらなそうに歩く。

しかし、それはそれで幸せである。

何故なら生きているのだから。





ある街の一角で、万屋がある。


万屋は、どんな依頼でも引き受ける何でも屋。


悪党討伐から、浮気調査まで。多くのジャンルを、難無く行う。



東に西に南に北に、何処へでも行き、依頼を引き受け、達成させる。



万屋の中では、拳銃のメンテナンスをしている女性がいた。



そして、依頼主がその女性の元へ向かう。




「いらっしゃい、今日はどうした?」


「……火傷に効く薬を一つ」


「残念だな!此処は何でも売っている所じゃないんだよ」


「冗談だ、依頼を一つ引き受けてもらいたい」


「顔に大きな火傷の跡残していたら冗談には聞こえねぇよ。一応火傷跡を消す薬を用意してやる」


「……火傷はどうでも良い。白咲 千秋と言う指名手配犯を討伐してくれ。警察の元特殊部隊の貴方なら出来るはずだ」



「よく知ってるね!どうして知っているんだ?」



「……警察もどきだからだ」



「警察も此処まで腐ったのかい!一般人に殺しの依頼をするなんてね!地下街の非合法の奴等に依頼しろよ」



「……私は一度、殺されたんだ。白咲 千秋に。それと、私は警察もどきだ。警察では無い」



「警察もどき?自警団か?」


「私は、警察の暗殺部隊に所属している。名前は言えないが……」


「警察は.....アンノウンか!最近の記事に載っているんだよ!暗殺部隊なんて恐ろしい事をするんだな.....今の警察は」


「私の時は、そんな名前なんて無かったんですけどね」


「そんな事はどうでも良い!あたしが討伐するのは、悪党に限る!あんたの言葉信じるぞ?あたしは金よりも殺す相手を重視するからな」




「悪党も悪党、大悪党だ。そう言えば、名前を聞いていなかったな」




「あたしは立花桐華だ宜しくな」


「……俺の名前は、卯敷 登也。宜しく」

「名前は言わないんじゃないのか?」

「突然の殺人の依頼にちゃんと応えてくれたんだ。それなりに、こちらも心を開かないと。

……ちなみに私も、地下街が嫌いなんだ。あんな腐った街に行きたくも無い。だが、殺しの依頼が出来る所が、地下街しか無くてね。だが、此処なら、悪党を討伐してくれると聞いたもんだから」



「あんた本当に警察の人間か?誠実すぎるよ」


「だから警察もどきだ。まあ、警察に俺は裏切られたけどな」


「....今度プライベートで聞かせてくれよ!警察の話を」


「俺が死にかけの状態で警察の実験台にされて、モルモットにされた話をか?」