複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.656 )
日時: 2016/06/01 16:32
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

安藤は姫哭に二丁拳銃を向ける。

姫哭も(H&K USPとH&K P2000)と言う拳銃を安藤に向ける。


「此処で戦闘する気は無い。川宮の居場所を教えれば私は去る」

「同意見や!」

「俺はお前等を更生させたいが、次の機会にしてやるよ!」



安藤は引き金を引こうとする。


矢城は止める。

「安藤君、悪魔の監視を。香川君を守るんだ」

「そりゃ、無いッスよ?」

「金はいくらでも払うよ」


安藤は喜んでアポロン医院の方へ行く。




疾風はガトリングを安藤に向ける。

すると、ガトリングが消える。



「な、何や!?」


「……君達が求めている人物の居場所はこの地図に載っている。行って見てくればいい。川宮を」




矢城は消え、ガトリングが現れる。




疾風は地図を手にする。



すると、疾風から電話が鳴る。


「あ……マスターからや」




同時に矢城が疾風の隣に現れる。


「うわっ!!!!ビックリした!」



疾風は焦って電話を切る。



「……僕は君に興味があるんだ。理由は分かっていると思うけど」

「し、知ってるんか?まさかお師匠様が……」

「僕は何でも知っているんだよ。まあ人造人間の君と闘っても勝てる気はしないから、僕はじっくり君を観察する事にしたよ」





矢城は消える。



「何や、あいつ……!?どうして……アタイの正体を」





「疾風、急いてこの場所に行くよ」

「おい、これも何の意味の無い地図だったらどうするんだ?」

「その時はその時。手がかりが無い今、頼るしかないわ」


「せやな」





姫哭と疾風と扠武澤は三人で、地図の場所に行く。


地図の場所は、普通の街。



「おい……テレビ見たか?世界滅亡とか言ってるぞ?」

「今は川宮の方が大切だ。私の両親を殺したんだから.....」

「……あれって、お師匠様!?……とロンギヌスの仲間やないかい!どうしたんや!」



疾風はかなり驚く。


そして直ぐに映像が途切れ、スタジオにいたキャスターが大慌てしながら状況を説明する。




普通の街では、万屋と言う看板が目立っていた。



疾風は万屋を見る。

「雰囲気ええな〜」

「現実逃避か?」

「……マイペースに行けばええんや……」



三人は一軒家の前に行く。


表札は堕和宮と書かれていた。


「どんな苗字だよ……」

「お前もだよ......」






三人は透明になり、川宮の家に入る。

扠武澤は拒否するが説得に応じる。



「まず、庭を見ようか……」


庭から窓を見て川宮の様子が分かった。



川宮は一人の女性と一人の少年と共に楽しそうに暮らしていた。




「......」



すると、ある一枚の紙が姫哭の前を通り過ぎる。


紙には何かが書かれていた。


姫哭は読む。




紙の内容は矢城が書いた物だった。





川宮は一部分の記憶を除いて記憶を消されている。

そして新たな記憶として、平凡なサラリーマンと言う記憶を植え付けられている。

理由は不明。

ただ、君達が追っていた川宮はもう何処にもいない。

彼は警察にいた事も暗殺部隊も、自分の能力も何もかも忘れている。

一緒にいる妻と息子も偽り。

だが偽りでも川宮は幸せだと感じているだろう。


戸籍も誰かの手によって操作されている。今の彼の名前は堕和宮 真人。

クローンの元になった人物と同じ名前。


僕は幸せな家庭を手に入れた川宮と幸せな家庭を失った姫哭を会わせたくなかった。


あまりにも理不尽で悲しいからだ。


あまりにも残酷で慈悲の無い現実だからだ。


君は幸せそうに笑う無知の川宮をどうする事も出来ない。

更生さえも不可能だ。




時に真実より似非であった方が良い時もある。
これからどうするかは自由だ。僕は君の選択を見守るだけだ。








姫哭達は手紙を読む。


「......」

窓の内側の世界で、川宮は笑う。

「……お前ぇ……早く、ご飯食べろよぉ!」

「ちょっと待って……お腹いっぱい」

「ははは……ほら、遊園地連れて行かないぞ」

「……行くから!待って!」

「あなた、遊園地行くなら先に行ってよ……化粧しないと……」

「ああ、忘れてたよ!ごめんな」









「......行こう」


「良いのか?」


「私は別に人を不幸にさせたい訳じゃないんだ.....」








姫哭は立ち去る。






「……家族か。アタイには分からんからな」


「俺も分からないよ。……とにかく姫哭を支えるしか無いだろ」