複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.669 )
日時: 2016/06/04 15:14
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

京咲は、夢の中にいた。

「にゅ?」


夢の中は、幾つもの生き物が、大量に浮いていた。


一秒ずつに変わる大量の生き物の位置。

そこに、変わらないモノは無かった。


京咲は一つの扉を開く。



その世界は、地球と呼ばれる世界。



京咲以外にも何人と言う人が地球を見る。









京咲は目覚める。








今、世界中で、奇妙な夢を見る出来事が増加していた。

何も問題視する事は無いが、とにかく奇妙。




「にゅ〜……」





京咲はたっぷり水を飲む。





京咲は、歓喜する大人達を見る。


「うわっ!凄いわ!本当にゲームの世界の中にいるみたい!」




大人たちはVRと言う仮想現実を見られる装置を装着していた。




「どうしたにゅ?」


「これね、エリアスちゃんからのプレゼントなんだ!はあ〜出世したわね。結構、これ高いのに!」





博士の助手であるエリアスは、嘗て此処の孤児院にいた。




「これ、お友達にもプレゼントしようかしら!」




京咲はVRに触る。


「にゅ!やってみたいにゅ!」


「子供にはまだ早いわよ。ほら、一緒に料理しましょう!今日はハンバーグ!」

「やったにゅ!」







VRでは、ゲームの世界だけでは無く、色々な世界を見せてくれる。




懐かしい世界。

未来の世界。

理想の世界。








次第に、VRは大ブームとなる。現実と見境が無くなる程の素晴らしさ。


やがて、夢か現か幻かも分からなくなっていく。






そして、行方不明者が再び増加する。






今回は、今無き青い星のゲームは何も起こっていない。



そして、ゲームのバグである崖のステージには、大量の花が置いてあった。





そして、ある人物達が現れる。




「エリアス君。僕等はゲームの中へ入ったようだね」


「そうですね。呪いは次元の境さえも消してしまうようです」


「さて……この日の為に色んな種類のゲームを用意したんだ。実験の成果を見せてあげよう」








今無き青い星のステージが大幅に増える。


プレイヤー達は困惑するが、その中に入ろうとすると、画面から黒い物体が現れ、プレイヤーを画面の中へ引き込む。







「夢か現か幻か。始めからこの世界にそんな物は無いんだよ。まあ、ゲームの世界に行けた人々は、神に管理される世界よりはマシかもね」



「でも、元々ゲームに登場していたキャラクターがプログラムの規定外の行動をしていますよ?」


「……成程、彼等は成長しすぎたんだね。プログラムのくせに。だけど、僕は凄いよ。ゲームキャラクター一人一人に高性能の人工知能を搭載させたんだから。まるで、人間の様に動くよ!」









京咲は行方不明者増加のニュースを見る。



「にゅにゅ〜?そう言えば、砂金がまだ帰ってきてないにゅ!どうしたにゅ?」




孤児院の人々はVRを使い食事をする。


「凄い、VRから見ると、食べ物がおいしく感じられるわ!」











テレビではCMが流れる。




「ダムネイションが開発したVR!今、大人気なんだよね」

「うっはー。俺も使ってるよ」

「何と、匂いや音も現実と同じように聞こえるし嗅げるんだ!」

「うっはー。俺、それ、知らなかったヨー」





CMとは言い難いが、ニュース番組最大のスポンサー、ダムネイションの力により、VRの普及は拡大した。




京咲は、腕を水の剣に変え、テレビを破壊する。



「にゅ!臨音を見てにゅー!」



「テレビなんていらないわ。だって、VRで番組が見れるんだから」










子供はVRを使用出来ない。

理由は、人体に影響する恐れがあるかららしい。




「あー!このアニメ、小さい時に良く見てたわ!見たい番組をいつでも、見れるのもVRの魅力だわ!」





VRではCMも流れる。

「仕事するのもVR。家事するのもVR。生活するのもVR。考えただけで、知りたい事を何でも見れます。調べます。スマホの時代はもう終わり!」








世界は変わって行く。




「にゅ……。誰も臨音を見てくれないにゅ!」



「京咲ちゃん。どうしたんだい?」


砂金が京咲の元へ行く。


「やっと、見てくれる人が来たにゅー!」










第五十八章 名も無き過去 完

場面変更

次へ続く