複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.670 )
- 日時: 2016/06/04 17:22
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第五十九章 名も無き灯
霊犀達は、京咲を探していた。
「こっちにはいないよ」
星宮が霊犀に話す。
「孤児院の人達はとりあえず他の子供の為に返したけど....」
姫哭は影で創られた鳥等を使い、京咲を探す。
花霞と朽葉も京咲を探す。
「……叶多?見つかったか?」
「見つかってないよ....」
すると、担任の先生と少女と少年が現れる。
「……愛先生!」
「朽葉君、花霞さん。おはようございます」
担任の先生の名前は、山吹 愛(やまぶき いと)。
名称は愛先生。
そして隣にいたのは……。
「あっ……同じ学校だよね?あたし達ってさ」
「ああ……涼太と同じクラスの……」
「あたしは尾瀬ヶ原 石楠花 石って呼んでね」
「俺は朽葉 蓮。気楽に蓮って呼んでくれ」
「私は花霞 叶多です」
石楠花の隣にいた少年はメモ帳とボールペンを取り出し何かを書く。
《ぼくは尾瀬ヶ原 水芭蕉(おぜがはら みずばしょう)です》
そう書かれた紙を見せる。
朽葉達は疑問に感じる。
石楠花は急いで説明する。
「水は声が出せないんだ。理由は分からないんだけど……」
「そうなんだ……」
「愛先生はあたし達の面倒をあたしが中学生の時からしてくれているんだ」
「……教師として当然の事をしているだけよ」
水芭蕉はメモ帳に書き込む。
《でもぼくのせいで兄ィが》
「お兄ちゃんがいるの?」
愛先生と石楠花は苦い顔をする。
「兄ィは、ブラブラダラダラしてさ。ちっともあたし達……じゃなくて、水の面倒とか愛先生に押し付けてんのよ。信じられない!」
「.....何か事情があるかもしれないけど」
「そんなの無いよ。水の事何にも気にかけないで、何処かで遊んでんのよ!水が声が出せない時に限って……」
《全部ぼくが悪いんだ。ぼくのせいで家族がこわれた》
愛先生は否定する。
「なんでも自分のせいだと思っちゃ駄目よ」
朽葉と花霞の元に羽柴が来る。
「おい……今度は向こうを探すぞ!」
「……あ、ああ……」
「どうした?」
「それじゃ……」
「今度は学校で会いましょう....」
朽葉と花霞はその場を去る。
花霞は、水芭蕉と自分を重ねる。
花霞自身も自分のせいで、白樺がいなくなったと思っていたからである。
「私のせいで....和人が.....!」
愛先生と石楠花と水芭蕉は尾瀬ヶ原の家に行く。
「明日は学校。この時期は大変だから、ちゃんと頑張ってテストに挑むのよ」
「分かってるよ、あたしは大丈夫」
《頑張って》
「うん、水。あたしは卒業してちゃんと働いて、愛先生に恩返しや水をちゃんと、育てるんだ!」
「私なら、大丈夫よ」
「あたし達の為に、人生を犠牲にしてるんだから……」
「……言ったはずよ。私は教師として、やるべき事をするって」
「でも、他の人とか……」
「……そうね、教師ついでに、個人的な感情も入っているのかしらね……」