複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.677 )
日時: 2016/06/06 17:18
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

時は少し遡る。


「あれ……?此処にアポロン医院があると聞いたけどなぁ……」


尾瀬ヶ原 來は兄弟の水の病気を治す為、世界中を旅していた。


言語が分からなくても、話相手が翻訳機を持っていたので、スムーズに話は進み、アポロン医院の存在を知る事が出来た。


アポロン医院は外科専門だが、ブロッサムの能力により、全ての病気に対処が可能になっていた。

ブロッサムの所へ行けば、尾瀬ヶ原水芭蕉の病気も治ると考えていた。



しかし、アポロン医院は、別の国へ移動していた。


「別の国って何処だぁ?」

「……地図で言うと、此処だよ」


「此処って、俺の故郷じゃねぇか……!」



「そうかい、それより、ブロッサムの治療は高いよ?ボロボロのマントの君にお金が払えるのかい?」

「……お金を貸してくれる所って無いかい?」


「利息が付くから、払える大金が無い場合は手を出さない方が良い。ほら、多少なら貸してやるから、お金は。勿論、利息はいらないよ」


「ああ……ありがとうなぁ!」







尾瀬ヶ原は金を知り合いから借り、遂にブロッサムの治療の分まで手に入れる事が出来た。




「俺っちは、これから兄弟の元へ帰るぜぇ!金は返すから、待ってろよぉ!」




尾瀬ヶ原は地元へ帰る。





「……しかし、良いんですか?利息無しって……」

「……全く、後悔しているよ……。世界が滅亡するから、金は良い事に使おうと思って……。良い人ぶったのに……。


世界、滅亡してないじゃんか。デマじゃんかよ……」


「まあ、生きてるだけマシでしょ」











そして、現在に至る。


「と言った訳だ。この金で、水の病気を治す!」


「……借金した金どうするの?」


「バイトで……!」

「25歳でバイトなんて、今の時代雇って貰えないよ?」

「大丈夫だぁ……どうにかなる」

「しかも、石ちゃんは勘違いしちゃっているままだし……」

「大丈夫。兄弟だから、気持ちは通じあうのさぁ」




尾瀬ヶ原はいつも笑顔だった。










一方、尾瀬ヶ原水芭蕉と石楠花は。



「兄ィ!……どうして……見捨てたんだよ!」


《ぼくのせいで》

「違うよ?水!違うんだよ!全部……兄ィが悪いんだ!」


水芭蕉は少し怯える。

《姉ェ、兄ィはきっと考えがあるんだよ》


「……水は優しいね。どうして、こんなに優しい水を兄ィは見捨てたんだろうね」






突如、石楠花は消える。


「……っ!?」



「……水芭蕉君。申し訳無いが、石楠花ちゃんを誘拐しに来た」






ある人物が現れ、そして消える。