複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.680 )
- 日時: 2016/06/06 20:26
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
遠い昔。
目の前には、霊犀の両親の死体が転がっていた。
周りには、奇妙な化け物が大量にいた。
霊犀は能力を使い、化け物を消し去る。
「....お母さん、お父さん!」
さらに、陰陽師が妖怪に殺されると言うあってはならない出来事に、マスコミが持ち上げるだけ持ち上げて、落とした。
霊犀は昔を思い出す。
その時、尾瀬ヶ原 來と山吹 愛も合流。
「俺っちの目が離れた隙に……どうなってんだい?」
「....お母さんがこんな事するはず無い....」
「でも、お母さんだったんだろ?宙に浮いていたから……恐らく幽霊だと思うけど……」
羽柴は怯えながら話す。
「私とお母さんとお父さんは....陰陽師の分家の家系。幽霊になる訳無いんだよ....」
「結香.....真実を見る為に、屋敷に向かいましょう」
「どうして....どうして....どうして....」
「あんなに、笑顔だった霊犀が……」
霊犀が不安になる事で、周りの空気も重くなっていた。
來は、水芭蕉、愛先生と共に霊犀に向かって励ます。
「……笑顔で行こうぜぇ!流れる時間は同じなんだから!」
水芭蕉はメモ帳で書く。
《きっと事情があるよ》
「.....お母さんが何で、幽霊に。私、お母さんを除霊しないと駄目なのかな?」
霊犀は涙を流す。
霊犀達は、百目鬼の屋敷に着く。
辺りは、水浸しだった。
「……水が」
霊犀は昔を思い出す。
「お母さん!今日はお仕事じゃないの?」
「そうよ、だから、一杯、一緒にいられるね!」
「やったー!お父さんは?」
「お父さん、今日は仕事なのよ」
「.....でも、お母さんといられるから良いや!」
霊犀は母親が好きで、憧れだった。
母親の仕事を受け継ぎたいと思っており、一緒に仕事をしたいと考えていた。
幽霊、妖怪等の人の世を脅かす化け物から守る為、陰陽師が除霊する。
霊犀は、陰陽師になりたいと考えていた。
母親は、刀の柄のみの代物を霊犀に見せる。
「これは.....?」
「私達、陰陽師が守るべき刀よ」
「刀の部分が無いよ?壊れたの?」
「違うのよ、これは使った者により、剣が変わる事が出来るのよ。つまり、使用者自身が刀になって戦うの」
「....分からないよ」
「つまり、この剣は魔剣にも聖剣にも使用者によって成り得る剣なのよ。
貴方は、聖剣のような人々を守る剣になりなさい。決して、災いを齎すような、魔剣になっちゃ駄目よ」
「....はい!」
現在。
母の言葉が霞んでいく。
母は、化け物になったと言う事実を受け止められない霊犀は、水浸しの屋敷で、涙を流す。
そして、自分で母を消さないければならないと言う残酷な選択に、心が苦しむ。