複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.686 )
日時: 2016/06/08 18:26
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

霧ノ宮と夜城と八高と狩峰は、デジタルで何処かで見た事の在る世界に行く。



「今無き青い星……?」



四人がいた場所は、ゲームの世界。


周りには、VRを装着された大人と何も付けていない少数の子供たちが、大騒ぎしていた。



「どうなっているんだ。格好も……ゲーム内の格好だ」




とはいえ、ゲーム内の格好と現実との格好にほとんど差は無い。





「ゲームは人々の願いを叶えられる世界。あんな腐った現実なんていらない。……何かに縛られる事も無い。この世界は最高だ」



ヘルメットを被った大人は、勝手な事を言い、何処かへ消える。




すると、梟が霧ノ宮達の前に現れる。



「君達は何を望む。この世界はそれを全て叶えてくれる。現実と違ってね」




八高は梟を掴む。

「此処は何なんだ、答えろ」



「此処は、現実を捨てた者達が集まる架空の世界。この世界こそ、呪いの終着点。この呪いこそ、神が求めた素晴らしい世界だ」



「今までの人間関係や家族、世界を捨てて……何が素晴らしいんだ」



「はっははは!子供には分からないだろうな!……まあ、君達も気付く。リアル等不要と言う事に。君の望む世界はもう目の前だ。リアルの頃に感じた家族、世界をそのまま、いやそれ以上に見せてやるよ」








四人は消え、何処かに向かう。













八高は、目覚める。


八高は外の景色を見て驚く。




「まるで、平安時代の様だ……」




この時代の人々は、嘘偽り等無く、自分に正直に生きていた。良い意味でも……。



「八高……。今から汚職をした者を成敗しに向かうぞ」


着物を着た男性が馬に乗り、八高を迎える。





八高は気付く。


「……まさか、これはゲームなのか……」


すると、着物を着た男性は突如現れた何者かに斬られる。



「何が、汚職だ。裏切り者め。全く、八高様を利用して……。ささっ……参りましょう」





この時代の人々は、正直者である。悪い意味でも。


彼等は、派閥争いを繰り返し、国盗り合戦をしていた。

自分の為なら、家族だろうと全て切り捨て、利用する。


権力に目の輝きを奪われ、正直に嘘偽り無く、他人の事を考えず、自分だけの幸せを願い生きていた。勿論、例外もいるが。





「……これがおれの望んだ世界なのか?」


「疑問を感じるならば、少しプログラムを改変しますか?」




世界は簡単に変わる。





時代は変わらないが、人々はとても優しく正直者だった。




八高は怒る。


「そう言う事では無い。……現実で無ければ意味が無いんだ。現実で、人々が変わらないと、意味が無い。嘘偽りで固められた国も、一人一人が違うと信じれば変わる……人が変われば世界も変わると言うからな。

……変われる世界を何故、捨てるんだ。何故未来を捨て、このような世界を」




八高の後ろから、ペッグと天竒、狩峰、疾風達等、ロンギヌスのメンバーが現れる。



「この世界は何でも手に入れるよ」



「残念だが、おれには帰るべき場所があり、この呪いを消さなければならないんだ。こんなふざけた夢世界等、笑止。こんな世界等無くても、信じれば思いは叶う」


「……現実を知らないからそんな事を言えるんだよ。改造人間」



「疑うよりマシだがな。それに、おれは信じれば、それは現実に変わるんだ」


八高は、この世界の崩壊を信じる。


しかし、何も起こらない。


「……こんな仮想世界でも未練はあるか?」


「違う。……能力が相殺されている」






八高の後ろには、ロンギヌスのメンバーでは無く、仮面をつけていた黒暗淵が立っていた。





「……君の方が能力的は強いけど、能力発動は僕の方が速いよ」


「同じ能力は無効化されると聞いていたが……」


「僕は言った事が例え、嘘でも真実になる能力さ」


黒暗淵の隣には、ナナシが立っていた。


「この世界は僕の全てだ。ナナシがいる世界が僕の世界だ。誰にも邪魔はさせないよ」


「その彼女が偽りでもか?」


「……もう逢えないんだ。僕は、所詮実験台。あの世界では幸せになれない」


「嘘偽りで固められた国も、一人一人が違うと信じれば変わる……人が変われば世界も変わると言うからな」

「……何を言っている」


「貴方のその考え方を変えない限り、永遠に隣の本当の彼女のぬくもりを知る事が無い」

「ぬくもりも忠実に再現出来て……」


「どうして、信じない。彼女が君を助けに来る事を」

「どうして、助けに来ると考えるんだ」

「信じれば、何でも叶うんだ!」


「……ただ、辛くなるだけじゃないか。叶わない夢なんて見たって。……他人にも自分にも迷惑がかかるだけじゃないか!」

「それでも夢を見なかったら、人は終わりじゃないか。こんな偽りだけの世界で、人生を捨てるな!」


「……ふっ……初対面の中学生にそんな事を言われるとはな」








黒暗淵は唱える。



「毎日続く安泰の幸せを捨てる君よ。共に、現実へ帰ろう」

「いや、世界を気取った呪いを破壊する。信じれば……何でも叶えられるんだ」











「そうはさせないよ」


博士とエリアスが現れる。