複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.695 )
- 日時: 2016/06/10 17:25
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
星空、メリクルベル、霧ノ宮、夜城、八高、薬師寺、深瀬、黒暗淵は、困惑する。大山は、そこにはいなかった。
カイは、考える。
進堂は話す。
「……俺は神の裁きをし、甲斐の目的を止めに来た」
「私はカイだ。……私はただ、君が原因のこの呪いを止めに来ただけだ。そして、君に管理される世界を崩壊させる為に」
「チッ……良い気になるなよ、プログラム。お前はただ、甲斐の記憶を埋め込まれた人工知能だ」
「……?そんな事は知っている」
霧ノ宮は質問する。
「甲斐……?誰だ?」
進堂は話す。
「……この世界の創造者であり、破壊者だ」
人々は困惑する。
カイは、進堂に掴みかかる。
「……お前の妄言に付き合う暇は無い。この呪いとアンリアルと共に死ね」
「この景色を見て何とも思わない地点で、君は甲斐でありながら悲しい存在だ」
「……精神的におかしくなったか?」
「ならば、簡単に言おう。俺がアンリアルを造り、リアルを管理社会にする理由を」
進堂は、カイを睨む。
「……甲斐と言う人物が、この世界を終わらせようとしている。俺はそれを阻止する。この世界の人々の為に」
「……何を言っているんだ。私はそんな事をする訳が無い!」
進堂は、ある装置を使い、カイの動きを止める。
「だから、お前は甲斐じゃない。ただのプログラムだ……」
霧ノ宮はゼロ・エデンを構える。
「お前は何がしたいんだ……」
「この世界の名を地球に変えるんだ」
「……ゲームと現実の見境が付かなくなったのか?」
「違う!俺は……この電脳世界をリアルの避難場所に変え……甲斐の行為から身を守らせる為に」
星空はレーザービームを進堂に向ける。
「……お前が死ねば、紬に会える」
進堂が呟く。
「あの博士が、理想世界等と余計な事をしなければ……」
カイは、進堂に向かって話す。
「終わらない呪いにエンディングを!」
「……何故、呪いを否定的に捕える!俺は呪いを操る事が出来、この素晴らしいアンリアルが生まれたんだぞ……」
「幻想にはもう騙されない」
八高は狩峰を強く抱える。
「……彼女を狂わせたこんな世界はいらない!」
「……止めてくれ!俺はこの世界を……」
霧ノ宮は叫ぶ。
「エデンの煌めき!」
呪いであった進堂は消える。
「私はただ、この世界を救いたかっただけなのに……」
「戯言等、聞く気にもならない」
進堂は、美しく鳴る鐘とベンチと共に、崖から落ちる。
すると、アンリアルが消滅し、人々はリアルへ帰る。
カイは、プログラムなので消えてしまいそうになる。
「……ゲームクリアだ。君達、良く頑張ってくれた!」
メリクルべルは笑う。
「やったーですの!」
「これで、世界の終焉を迎えられそうだよ。我々に天罰が下る事無くね」
「……?」
カイは消える。
一方、ダムネイションでは。
ボロボロに変わり果てた神を、誰かが見ている。
「……準備していたアンドロイドは、お前を失ったらどうするんだろうな」
大嶽が、社長室へ行く。
「……名も無きアンドロイド。どうして此処に」
「さあな」
大嶽は分解される。
名も無きアンドロイドは、笑う。
「霧ノ宮ちゃん達には感謝しないとな……。折角、私の企みに気付き、呪いに魂を売ってまでも、私を阻止していた進堂君を呪いごと、殺してくれたんだから。
後の厄介者は、ペッグ君くらいか」
神谷から連絡が入る。
「……出来たね〜。良いの?これで?幽霊浄化装置。……甲斐」
「甲斐と呼ぶな。後は、ある部品が必要で、今、手に入ったから、持っていくよ」
甲斐は、機械から人間の心臓を持ち出す。
「……しかし亡霊になってまで、私の行為を否定するとはね。進堂君、気持ち悪いよ。さて、この心臓を装置に入れれば、幽霊を浄化するのではなく、世界を終わらせられるよ。
進堂……お前は優しすぎる。終わる世界に慈悲等不要」
今無き青い星には、完全に実験台がいなくなり、バグが一切無くなっていた。
しかし、崖には一人のプレーヤーがずっといた。
ユーザー名は、進堂。
その後、八高は狩峰と共に、ロンギヌスの拠点へ帰る。
メリクルベルは、ロンギヌスの仲間に入る。
黒暗淵と薬師寺は、元の肉体に戻る。星空は……。
霧ノ宮と夜城は、深瀬と共に、姿無き虎の支部へ行っていた。
行方不明になっていた人々も解放されていた。
「世界の終焉……。カイの言っていた事が本当なら、我等は進堂を……オオカミ少年にさせてしまったのか……?」
「多分、冗談だよ!うん、冗談!と言うか深瀬君はプログラムじゃないの?」
「……俺は、ただのプレイヤーだ。カイとは、少し前に会って、協力していただけだ。しかし……」
「でも、ゲームキャラクターに出てるよ?深瀬君って、ただのモブ村人だけど」
今無き青い星には、モブキャラでも名前が付いている。大体、スタッフの名前等、身内ネタ。
「それより、大山教授が……」
「……恐らく、あのドアの時に、間に合わなかったんだろう……」
電脳世界には、星空と大山がいた。
「……俺は、戻れないのか!」
「まあ、良いじゃないか。電子生命体と言う永遠の命を手に入れられたんだ」
「こんな世界に……」
一方、エリアスと博士は。
「僕は、理想の世界を創って、喜んでもらいたかったのに……」
「人はそれほど、馬鹿じゃなかったという事ですよ」
「僕は、大人になんかなりたくない。ずっと、ゲームのように……」
「だから、子供のままなんですね。成長抑制剤を使って」
エリアスは、成長抑制剤と呼ばれる薬を出す。
「神も災難でしたね。こんな変人しか呪いの考えを理解してもらえないなんて」
エリアスは、甲斐に連絡する。
「事実上、ロンギヌス、アンノウン、ドライアド等の戦争が絶えず、現段階では不可能です。待ちましょう」
「……分かった。エリアス君。しかし、私まで、裏切らないでくれよ?博士の二の舞はごめんだ」
「ええ……この世界にエンディングを」
第六十章 名も無き信実 完
場面変更
次へ続く