複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.713 )
- 日時: 2016/06/14 19:36
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
ある日、服部が五代に向かって語る。
「……五代。お前の親会社の社長が……」
奈良崎は服部の口を押さえる。
「服部!駄目だよ……親の話をしちゃ……」
「だって、ダムネイションの大嶽社長が行方不明だよ?……僕のオヤジは凄く喜んでいたけど……」
初凪は困惑する。
カロリーは事情を説明する。
「社長が行方不明と言う事は、会社を放棄したと言う事。勿論、事件の可能性はあるけどね……。でも、会社のイメージが悪くなるよ」
実際、子会社のバタフライの業績は一気に下がっていた。
五代の母親である社長は、朝から晩まで働き続けていた。
五代は怒る。
「……服部。皮肉かな?私達の不幸がそんなに嬉しいのか!」
「違う!心配なんだ!」
丹田は、仲裁に入る。
五代は初凪を連れて、何処かへ行く。
服部は悔しそうに地面に座る。
「……親の事で、こんなに……」
五代は初凪に怒りをぶつける。
「……服部の奴……私の事を心の中で、敵だと思っていたのよ!
仲間だと思ったのに……。私達だけは、大人と違うと思っていたのに……。
結局、ライバル会社同士、敵なのね!」
「ち、違うよ……」
「もしかして、スパイ目的で私や初凪の所に服部が来たのかしら……!いや、絶対そうよ!」
「ちょっと……恭子!」
五代は、立ちあがると、首元にアザがあるのが見える。
「そのアザどうしたの?」
「……怪我したの。……ふう、やっぱり、信じられるのは初凪だけよ」
「……」
その後、服部と五代の関係はどんどん悪くなっていた。
奈良崎とカロリーと丹田と初凪は話し合う。
「まさか、あそこまで関係が悪化するとは……かなりまずいな」
「とはいえ……いずれこうなるのは避けられないだろ?ライバル会社同士だから、むしろ良かったと思う。まあ、ダムネイションと小木グループの合併も見たかったが……」
「でも、とりあえず勘違いには気付かせてあげないと……。ねえ?初凪」
「……うん」
初凪は親に相談しようとするが、相手してもらえず、ただただ自慢話の道具にしか使って貰えなかった。
「彼がノーベル賞候補、香川君と恋色羽さんだ!」
「どうも」
「……いつも自慢話で聞いてましたよ!」
初凪は苦悩する。
「……どうしたら……」
すると、インターホンが聞こえる。
初凪の母が玄関に行き、扉を開けると、そこには傷だらけの五代がいた。
五代はその場で倒れる。
「……恭子!?」
初凪は、五代を抱える。
担任でもある初凪の母は、車に向かう。
「急いで、病院へ!」