複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.75 )
- 日時: 2017/01/12 17:42
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
私は、その後病院へ搬送された。血まみれの男の方も、どうやら生きているみたいだ。
アンドロイドは、通常単独で行動する事が多い。つまり、アンドロイドは本体、誰かについていく事は無く仲間と呼ぶ人物はいない……はずだったのだが。
しかし、私を襲ったアンドロイドは、他にも仲間が居る様な言動を見せた。……どう言う事か、色々話し合う必要があるみたいだな。
アンドロイドも神とやらを信じるんだな……。
時は少し遡る。
「お前は誰だ。何故、この場所が分かった」
右目が無い男が話した。
続けて、傍に居る女性が話す。
「あの〜、ブライアンさんの知り合いですか?」
その問いに突如現れた女は答えた。
「汝ら、我の仲間。汝ら、我の仲間。名前認証……完了。ブライアン・マレーン。藍楷 透華」
「お前は、アンドロイドか。俺の機能にも、名前認証システムが搭載されているので、確認する。……お前の名前は、大嶽 操だな。それで、私達に何か用でも?」
「手を組もう。我々は人間を管理するべき存在。しかし、人間は受け入れず暴走を開始している。このままでは、我々は滅される。我々は協力をするべきなのだ」
「大嶽さんの話している思想って、ブライアンさんと同じ思想じゃないですか!?良かったですね!やっと、話し合えるアンドロイドが出てくれましたね!」
アンドロイドは、大半は人間からの迫害のリスクを避けるため、人間のふりをしている。ブライアンの様な人間を管理する等と言う思想のアンドロイドの数は少ない。
ブライアンは、乗り気では無い顔をしている。
「ブライアンさん?どうしたんですか?あれ程、欲しかったアンドロイドの仲間がこちらから来たんですよ!やっと、ブライアンさんの夢が叶いますね……!」
「さあ、神の裁きまで時間が無い。今すぐ、返答してくれ。嫌なら別に構わないぞ」
「勿論、協力しま……」
ブライアンが藍楷の言葉を遮り、話す。
「藍楷。すまないが私は協力するつもりは無い」
藍楷は驚きながら話す。
「何言っているんですか?!協力しましょうよ!ブライアンさんだって望んでいた事でしょう!」
「ああ……。この間までそうだった。どっぷり自分の自惚れた思想に浸かっていた。自分が完ぺきな存在と勘違いしていたんだ」
「何を言っている。我々程、完璧な存在等無い。そして、人間程、不完全な存在等無い」
ブライアンは語る。
「確かに、人間は不完全な存在だ。しかし、だからと言って、我々アンドロイドが完ぺきと言う訳では無い。人間と違い……我々には、心が足りない。心が有れば、悲しい時に泣いたり、嬉しい時に笑顔になったり、好きな人と恋が出来たり、そんな素晴らしい事が出来るはずなんだ」
「何を寝ぼけた事を言っている。そんな感情等、無意味だ。だから、人間が不完全だと言われるのだ。心、等不要だ」
「そうですよ……!大嶽さんの言う通りです!ブライアンさん。どうしちゃったんですか?!ブライアンさんはそんな事は言わないはずですよ。私の知っているブライアンさんは、そんな事言わないのに……!」
「ずっと、考えていた。何故、完璧になる必要が有ると……。
しかし、あの子に会って気付いた。我々は、支え合って生きるべきだったんだ。人間達と……。我々は人間を管理するのではなく、共存するべきだったんだ!実際、人間のふりでもアンドロイドは共存が出来ている。出来ているんだ!」
大嶽はブライアンに近づき、衝撃波を放つ。
ブライアンは不意打ちに気付かず、大きく吹き飛ばされ胴体に機械の部分が剥き出しになる。
大嶽は話す。
「時間が無い。貴様の甘ったれた考え等どうでも良い。藍楷さん、私に今すぐついてきてください。こんなポンコツは置いて、ワタクシ達でこの世界を変えましょう」
藍楷はブライアンに話す。
「私、待ってますから。ブライアンさんが、大嶽さんの所に来るのを!だから、元のブライアンさんに戻ってください。私はブライアンさんの夢の為に、大嶽さんの所へ行きます。ブライアンさんがいつか話してくれた、夢だったはずの『人間を管理出来て、犯罪が何も起こらず、平和な世界』を叶えます」
ブライアンは話す。
「遠い過去だ。そんな夢」
藍楷は呟く。
「……どうして、ブライアンさんはこんなにも変わったの?」
大嶽と藍楷は、衝撃波を使い何処かに飛んで行った。
そして、警視庁から大嶽を追った機動隊がブライアンの所へ行く。
言うまでも無く、その場にいた胴体が機械むき出しのブライアンは逮捕された……。
「一人、貴方様の思想に賛同する者が現れてくれました。名前は、藍楷 透華。それで、神の裁きは何時にします?」
「良い選択をした。神の裁きは仲間がもう少し必要だ。まだ、時期が早い」
「選択は全て、決められている。そこに我々の自由意思等無い。よって、全て、運命によって定められている」
「……大嶽、余計な事を言う暇があるなら、仲間を増やせ」
「君の選択に神の御加護があらんことを……」
「……神を目の前にして、そのような事を言うとは……随分、不愉快だ」
「いえ、貴方様の口癖を真似しただけです。ここで、質問ですが……不愉快と言う気持ちも、心なのでしょうか?神と名乗る貴方様なら分かるかと」
「ココロ?君らしくないな。ココロなんてスマホで、検索していろ。きっと、良く分かるはずだ」
第七章 名も無き運命 完
次へ続く。
主人公、視点変更。