複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.754 )
- 日時: 2016/06/22 18:15
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第六十四章 錫杖が鳴る時
「にゅにゅにゅ!」
京咲は、霊犀の前に立ち挑発をする。
砂金は笑う。
「俺は君をこれから……笑顔を奪う。それと羅針盤もね」
「....」
尾瀬ヶ原 來は砂金の前に行く。
「俺っちは事情は分からねぇけど……。誰が敵くらいは分かっているつもりだぜぇ?」
霊犀は話す。
「砂金は.....」
「白樺や他人の事より、自分の家族と過去を大切にするべきだったな。
言っておくが正義より大切なモノはあるんだよ。
……今から、二つの選択肢を用意する。どうするかは自分で決めろ」
「.....」
「一つは、白樺を誘拐した犯人。もう一つは、両親を殺した犯人。
どちらかを教えてあげる。
さあ、自分の正義を貫くか、自分の憎悪を貫くか。……決めてくれ」
「どうして....そんな事を。両親を殺したのは幽霊....」
「……何事にも動じない正義感があるからだ。俺は、君が正義を捨て私欲に走る瞬間が見たいんだよ。
後、両親を殺したのは幽霊じゃない。陰陽師がタブーとされている幽霊を操る事が出来る人物が両親を殺したんだ」
「にゅにゅにゅ〜!」
青い炎が、霊犀を照らす。
星宮は、倒れていたメンバーを髪の毛で包む。
姫哭は、砂金を睨む。
「京咲.....こんな奴と一緒にいちゃ駄目だろ。帰るぞ」
「にゅ〜?」
砂金は京咲を掴む。
「……返事は、明日出してもらう。それじゃ……」
砂金は京咲と共に消える。
石楠花は騒然とする。
「兄ィ……」
「大丈夫だ。石……。しかし……女子高生に何を馬鹿げた事を言ってんだぁ?」
そして彼等は解散した。倒れている人々は星宮や霊犀により、家に帰した。
その日の夜。霊犀は尾瀬ヶ原兄弟と姫哭、星宮、そして花霞と霊犀の屋敷で話し合う。
花霞には事情を説明している。
「....私のせいで.....」
「違うよ。悪いのは....砂金。友達だと思っていたのに」
ちなみに京咲の事は、扠武澤が説明中。
姫哭は発言する。
「.....私だったら、白樺を誘拐した犯人を教えてもらうよ。
両親を殺した犯人を教えて貰ったからって、殺す訳にもいかないからね」
星宮はおにぎりを食べている。
「……でも、事故死?だと思っていた両親が実は殺されていたんだ。
絶対に見つけたいと思うよ。君だってそうじゃないか」
「.....」
石楠花は考える。
「そもそも、本当に教えてくれるのかな……?とか思っちゃったりしてるんだけど……」
水芭蕉は何かを書く。
《ぼくもそう思う》
霊犀は母の遺影の前にいた。
「砂金は....嘘をつかないよ。絶対に」
「正直者程……信用出来ない奴はいないぜぇ?」