複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.76 )
- 日時: 2017/01/18 16:41
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第八章 名も無き国王
「一つの目ん玉を持った人形が、燃えているよ。僕は今、あの子を助けたい気分だ。どうすれば良いかな?」
妖精は答える。
「王様……。人間の世界と私達の世界の壁である結界の門番である私を呼び付けて何を言っているんですか?私が結界を見張っていないと、人間を襲おうと考えている者達が結界を破りますよ?後、それくらい自分で判断してください!」
僕は、話す。
「そうかそうか。それでは、オベルムント君。仕事に戻ってくれ。僕は、お人形さんを助けるよ」
僕の能力は、人を転送させる事が出来る能力。どんな者でも、どんな物でも。どんな場所にでも。
パッチンっと、指で音を鳴らせば、そこに人形がやってくる。
人形はお話するよ。
「此処は……何処?私、死んじゃったの?」
僕は、話す。
「いいえいいえ。君は生きているよ。まあ、此処は人間界では無いけどね。それで、君の名前は?」
お人形はお喋りしている。
「私の名前は……ヒトミ。……!私の目を見ちゃダメ!右目を失っちゃう!」
僕は、話す。
「大丈夫だよ。だって、僕。右目、元々無いからね」
ヒトミさんは話す。
「右目が無い……?どう言う事?」
僕は、一つ目。ちょっと、左寄り。まあ、目の位置なんて変えられるケドね。二つ目にも出来るし、五つ目にも出来る。百目にも出来る。
僕は、この国のおうさま。
そして、僕の名前は……王様。
僕は、人間達に未確認生命体と呼ばれているんだ。
「さてさて、ヒトミサン。僕が此処の世界をご案内してあげよう」
ヒトミさんは話す。
「え〜と……。状況が理解出来ないんですけど」
僕は、話す。
「僕は君を助けたよ。炎に包まれたその体を転送したんだ。炎は、転送しなかったけどね」
僕は、ヒトミさんと色々話した。
ヒトミさんは、話す。
「つまり、君は私を助ける為に、この世界に転送させたと言う事?……あれ?私が持っていた目玉は?」
僕は、話す。
「はいはい。ありますよ。ほら、奇麗でしょ。この目玉、アクセサリーにして見ました。それにしても、ヒトミさん良い趣味してますね」
ヒトミさんは話す。
「……うん。それじゃ、そのアクセサリーは私が持っておくから。……結局、助けてくれなかったな。ブライアン」
僕は、妖精を呼んだ。
「オベルムント。ヒトミさんをご案内してあげなさい」
オベルムントは話す。
「でも、結界の方は……?」
僕は答える。
「うんうん。結界は僕が守っておくよ。人間に手を出そうとする奴は、お家に返してあげますから!それじゃ、案内が終わったら、僕を呼んでね」
僕は立ち去った。
オベルムントは話す。
「あの……。私、右目有るんですけど……」
僕は話す。
「君の能力は、怪我をすぐに治せる事。右目を失っても治せるでしょう」
オベルムントは話す。
「うふふ。はい、分かりました!精一杯頑張ります!」
さて、僕は結界を守りながら人形から人間になれる方法を探すとしよう。