複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【6月30日にオリキャラ募集終了】 ( No.786 )
日時: 2016/06/30 18:46
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

フローラはファントムを抱える。

「フローラ……」

「怯えないで。私だって倒したくて倒した訳じゃないのよ。

ナルシスに指示されて倒すしか無かったのよ」


「……ナルシスが!そんな……」





星宮はナルシスを見る。



「星宮さんも私の言う事を裏切るんですか?」

「……」



尾瀬ヶ原は何かを言おうとしたが直後にボロボロの黒暗淵が水芭蕉を抱えた姿で現れる。



「……水ぃ!?」



黒暗淵は全力で走る。


星宮は黒暗淵を見る。


「來。水芭蕉を助けるべきだ」


「すまねえ!」



尾瀬ヶ原は黒暗淵を追う。





ナルシスは呆れる。


「私の知っている貴方なら他人を気遣う事なんてしませんでしたよ?」



「……僕は変わったんだ。素晴らしい仲間達に出会えたからね」


ファントムとフローラも頷く。




「それは限りがあるからですよ」


フローラは騒ぐ。


「何を言ってるの!限りが無くても仲間には出会えるでしょ!」


星宮はフローラに反論しようとする。


すると、柴田と口裂け女、サディスクラブ、シーザー、ペッグ、オペルムントがナルシスの元へ行く。



巨大なサディスはナルシスに語る。

「ナルシス。変わった私達を拒否するんじゃなくて受け入れてくれ。

それで一緒に読書したりやコーヒーとか飲もう」






星宮は反論する。


「ナルシスは生きる事に苦しんでいるんだ。自分だけでも精一杯なんだ」


柴田は葉巻を吸う。

「だから恋人とか親友とか大切な人とかいれば、生きる事の苦しみから解放されると俺は思うが?」





オベルムントは呟く。

「でもその大切な人が失う事が怖いんだと思うよ?七里さんもそうだったし」


ペッグはほぼ不死身な機士を思い出す。






星宮は話す。


「そうじゃないんだ。ナルシスはもう数百億以上の時間を過ごしている。

死ねない事に苦しみを感じている」



ナルシスは星宮を掴む。


「君達全員を不老不死にして永遠の苦しみを与えましょうか?」


星宮はナルシスを援護していたはずだがナルシスは握り潰す。


「どうして……」


「自分以外の者は敵と思え。常識ですよ?

ちなみに自分以外の者は敵と思えと教えた理由ですか?それはね、あなたに世界を破壊するための道具になってほしかったからですよ。すべて敵と思えば周囲の人間を殺しても何も感じなくなりますから。

まあ私の見込み違いのせいで計画は狂ってしまいました。星宮さん、ファントムさん、フローラさんに柴田さん。あなたたちの愛する家族は私がハントさんに依頼して始末させて。
人間にしては優れた能力を持ったあなた方を利用するためにねえ」







フレデリックはナルシスの方を向く。



「ナルシス。確かに不老不死で死ぬ事が出来ずに苦しむのは同情する。

だけど他人の人生を狂わせ、利用するのは間違っていると思うよ」



「他人を利用し、自分は高みの見物。最高じゃないですか」