複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【6月30日にオリキャラ募集終了】 ( No.789 )
- 日時: 2016/06/30 18:45
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
柴田はナルシスに近づく。
「俺の能力でも不可能か?」
「残念ですが一度起こってしまった能力を消す事は不可能です」
ちなみに天竒は可能。その代わり武器を使えなくする等の能力は無い。
星宮はナルシスから離れる。
「とにかくこの世界を静寂にするのは駄目だ」
ハーデスはナルシスに語る。
「犯罪者になってしまう故ナルシスにこそ間違った道を歩ませたくないのだ」
ナルシスは周りを見る。
「随分と可哀想な人生を歩ませた弟子が多いですね」
シーザーは叫ぶ。
「何が可哀想だ!我々は今幸せなのだ!」
星宮はナルシスに語る。
「ナルシス。不老不死だからこそ出来る事がある。
ボランティアとして人々を世界を助けるんだ。僕等も協力するから」
ナルシスは冷静に星宮を見る。
「いつからそんな腑抜けになったんですか?
本当に君達は私を失望させてくれます。
私は」
途端にオベルムントがやって来て光のロープを見せる。
「これは世界から存在を消せるんです。これなら貴方を消せます」
「……私は死にたい訳ではありません。この世界を静寂に変えたいんです」
「……っ」
「そして、時間を壊します」
その後、ナルシスは世界を静寂に包み込ませる為たった一人で侵略を開始する。
サディスクラブ達も抵抗するが、他の勢力(ドライアド、アンノウン、ロンギヌス等)が暴走。誰も何も止められなかった。
そして核戦争が起こり世界は滅亡した。
自分自身は不老不死の為無傷。
ナルシスは眠りに付く。
眠っている間に世界はいつのまにか混沌や秩序を通り過ぎ全て何も無くなった。
その世界には時間が無かった。
その世界には騒音が無かった。
ナルシスは目的を達成し喜ぶ。
「やっと静寂を手に入れました」
この世界には始まりが無かった。
この世界には終わりが無かった。
「……」
ナルシスは孤独になり初めて気付く。
誰もいない世界に自分と言う存在を認めてくれる人等いない事を。
「何故でしょう?私の望む世界になったはずなのですが。
この気持ちは……?」
ナルシスは星宮達の事を思い出す。
「……私は彼等を道具としてしか思っていません。思っていないはずですが」
すると、誰かが現れる。
「どうも、ナルシス君」
「……誰です?」
「誰だって良いじゃないか。それよりも一緒にコーヒーでも飲もう」
誰かは、コーヒーを具現化させナルシスに用意する。
ナルシスはコーヒーを飲む。
「……何故貴方は生き残っているのですか?貴方は何者ですか?」
「まず生きるとか死ぬとかの問題では無い。君の心にある何かを解き明かす方が大切なのだ」
「私の心にあるのは静寂だけです。それ以外には何もありません」
「そうですね。ただ、静寂と言う言葉を変えてみましょう」
「……?」
「静寂は、虚無です。今の貴方の気持ちは虚無感なのだ」
「この気持ちに名前等があるのですか?虚無感と言う」
「貴方はいらないモノを捨てたつもりでいるのですが、そのいらないモノがあるからこそ、我々生命体は今あるモノを大切だと思えるのです。理想を求める事が出来るのです」
「道具である弟子達がいたからこそ、私は理想を知る事が出来たんですか。
私と星宮さん達と過ごした無駄な時間が大切なのですか」
ナルシスは何もない世界で、誰かと歩き始める。
「私は間違っていたんですね。しかし遅すぎました」
「そうですね。遅すぎました。弟子達の説得に応えるべきだったんですよ」
「どうすれば良いんですか?」
「どうする事も出来ません。時間は壊れたら、治すのに時間がかかりますから。
まあ良いじゃないですか。貴方はこの世界では一番幸せなんですから」
「最後に名前だけ聞かせてもらいますか?」
「私の名前は……ネームレスです」
ハッピーエンドレス『終わりの無い幸せ』
注意!この小説はマルチエンディングです。終わりません。
これからの続きは、ナルシスが星宮達の説得により改心し世界を静寂にさせない感じで執筆します。
これからも応援宜しくお願いします。