複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【本日にてオリキャラ募集終了】 ( No.792 )
日時: 2016/06/30 22:15
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

世界は悲しい程に元に戻る。


そしてナルシスは理想の世界を体感したような気分になる。


「……星宮さん」


星宮がナルシスの元で説得していた。


「僕等はこの世界が、この皆が居る世界が良いんだ。そしてその皆の中にナルシスにも入って欲しいんだ。

僕等は不老不死になり君と永遠の時を過ごす事を決めている」


ナルシスは戸惑う。

「私は星宮さん達を利用していたんですよ?どうして私を……」



サラマンデスはナルシスの元へ行く。


「ナルシスのやった事は許されない。だが、我々にも責任があったのだと思う。ナルシスの苦しみを理解出来なかった我々に」




柴田は口裂け女と共にナルシスを見る。


「別に不老不死が罪とは思わないぞ。俺は晴れて本当の伝説の殺し屋になれるんだからな。飽く迄も伝説だが」





フローラとファントムは若く、第二のナルシスにならないようにの事で不老不死候補からは除外されていた。星宮はナルシスの一番の理解者として不老不死になる事を決意する。




本来は人類の夢ともいえる不老不死だが、現状はとても悲しく儚かった。



ハーデスとフレデリックも長寿ながら不老不死を決意する。


オペルムントは不老不死は望んでいない。ペッグは立候補しようと思っていたが場の空気上あまり出来ない雰囲気に。

サディスは人数を数える。


「たしか……私を含めて、ハーデス、フレデリック、サラマンデス、シーザー、柴田、星宮で七人だ。十人を不老不死に出来るらしいから半分以上の人数だね」



ナルシスは冷静に話す。


「悪党である私はまた裏切るかもしれませんよ」


「その時は全力で僕等が正す。嘗て貴方がしてくれたように」


「不老不死になって後悔するかもしれませんよ?」

「その時はちゃんと励ましてくれ」






ナルシスは霊霊に星宮達を見る。


「やっぱり浅はかです。役立たずには用はありません」


「……」



ナルシスはオペルムントを掴みその場を立ち去る。



サディス達は追いかけようとするがナルシスが止める。


「私は悪党です。貴方達の家族も私が殺したのも同然。

悪党は貴方達のような心優しい正義の味方や偽善者を好まないのです」

オペルムントは逃げようとするがナルシスは離さない。




「私は改心する事等ありません」











ナルシスはオベルムントを連れて何処かへ行く。

シーザーは憤怒し追いかけようとするがサディスが止める。


「サディス!何故止める!」



「……罪は消える事は無い。実に彼らしい悪党っぽい最期だよ。実に遅すぎた最期だよ」




星宮は悲しげな表情を浮かべながら尾瀬ヶ原 來の方向へ行く。





弟子たちはそれぞれの道を行く。


















ナルシスはオベルムントに存在を消すように言う。


「……良いんですね?」


「私は生きている間に悪事を山ほどしてきました。

私が反面教師になれば弟子たちもきっと良い人生を送れるでしょう」



「ええ、ハッピーエンドです」






そしてナルシスは自分を縛っている壊れた時間を解き放った。










第六十五章 Time break(壊れる時間) 完



場面変更


次へ続く