複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.8 )
日時: 2016/11/29 18:46
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

一之瀬が、見境に超能力を発動しようとした理由は告白した相手が見境が好きと言う理由で振られたかららしい。

「疲れた……。先生になれば、こんな事が日常茶飯事なんですかね」

隣にいた白咲に俺は話す。

「そんな事よりも……見境さんから聞いたよ。超能力を使ったんだよね。フフフ……人を吹き飛ばす能力って」

俺は適当な返事をして白咲さんから逃げた。……あまり、自分の事は知られたく無い。

それから、数日が経ち……俺は教育実習生最終日を迎えた。

俺は見境さんに話しかけた。

「あの……超能力について聞いても良いかな?君は、超能力があるのか?ないのか?それだけ教えてもらいたい。俺は……超能力を持ってない人間に興味がある」

見境さんは答える。

「……あたしは、先生の好奇心に振り回される程、余裕はありませんよ?超能力が無いってあたしが仮に言ってもあなたは、驚き、ただ騒いで皆に言いふらして、気持ち悪い素振りをするくらいしか出来ないと思います。あたしは、普通を望んでいるんです。……これ以上話す事はありません。さようなら、卯敷先生」

見境さんは何処かへ行った。

以前に超能力が無いと発言して、騒がれた事があるのか……?まあ俺の好奇心にあそこまで嫌悪感を出されるとこちらも不愉快だが。

俺は、荷物をまとめて、この学校を後にした。

「なんだかんだ言って、良い経験にはなったな……うんうん」

俺は人気の無い狭い路地に入った。

「さて……白咲さん。俺に何か御用でも?」

白咲さんは話す。

「……君と戦いたかった。御用はそれだけ。それじゃ、あの世へいってらっしゃい!」

俺と白咲の距離は、8m以上。白咲の能力は不明。……いや、白咲がもし俺の思うターゲットなら……!

白咲は右足を上げる。

「火炎放射モード。さあ、避けられるかな?」

白咲は右足を振りおろす。途端に、大きな火炎が俺に向かっていく。

「ブローオフ。対象物、火炎」

火炎が8m以内に入った時、俺は火炎を吹き飛ばす。火炎は消えた。

「……!白咲も消えた。何処へ消えた…違法サイボーグ!」

俺が、学校に教育実習生として来た理由は1つ。学校にいる違法サイボーグを見つけ出す事。俺は、吹き飛ばすと言う超能力を買われて、試験なし、さらに学生で警察に就いた。最初は、4m以内しか対象物を吹き飛ばす事は出来なかったが、警察で訓練を重ねた結果、8m以内の対象物を吹き飛ばす事が出来る様になった。そんな俺は、学校にいると言う違法サイボーグの発見の為、学校にスパイとして入ったのだ。この事は、大神校長、祭場さいば教頭しか知らない。

違法サイボーグとは、義足の方々では無い方が高額な金を払い、体の一部をロボット化している事。これは、生命を馬鹿にしているとの事から違法になっている。……個人としては、生命は自分のモノなのでどう使おうが勝手だと思うが。道徳的におかしいけど。

学校にいるターゲットにされた違法サイボーグの情報は、足がサイボーグ化しているという情報のみだった。しかし、白咲とは……。いや、今、思えば結構怪しかったな。俺もまだまだ、未熟者だ。
ちなみに、最初の違法サイボーグの予想は、見境だった。

……恐らく、白咲は路地の中心へ入ったのだろう。

白咲は脚の部分がサイボーグだ。つまり、脚の部分を中心に攻めるはずだ。それに火炎効果がついている。まあ至近距離なら俺が圧倒的に有利だ。脚技が出る前に吹き飛ばす。

……俺はしばらく路地を歩いた。その時だった。
俺の目の前に急に白咲が現れた。

「ブローオ……!」

白咲はサイボーグである脚では無く、生身である拳を繰り出した。予測しなかった行動に俺は動揺した。

俺は顔面にパンチを受け地面に倒れた。

白咲は話す。

「もしかして、脚技だけで攻めてくるとか考えてた?甘いね〜。……フフフ。久々だよ。この殴る感触。僕は君に会えて良かったよ。だって、この戦いがとても素晴らしくとても楽しかったからさ」

……能力発動、ブローオフ。対象物、白咲。

白咲は突如、路地の中を吹き飛ぶ。
「……?!へえ……喋らなくても能力発動するんだ」

俺の口から大量の血が出ている……。どうやら、歯が何本か折れている。しかし奴の腕にも相当のダメージがあるはずだ。作用反作用があるからな……まだ、勝機はある。俺一人で白咲を逮捕して、皆から『まともに試験を受けていない警察もどき』って馬鹿にされる日々を終わらせてやる!

「俺だって暗殺部隊の一員だ!なめるな!」


……!白咲が壁や障害物に当たっていないのに止まっている?!どう言う事……って、白咲の右腕が……すぐ隣の路地の壁にめり込んでいる…!?

白咲は話す。

「左腕だったら、ミサンガが全て壊れていましたね」

グボッ!

壁から右腕を取る音が聞こえる。

「あらら、右腕が壊れてしまいました。……残念。まあ、この戦いが楽しめるなら良しとしましょう」

白咲は、俺の能力の吹き飛ばしに対して、右腕をすぐ隣にあった壁に突っ込んだ事により、吹き飛ばすスピードを落とし、そして、サイボーグ化した脚で完全に吹き飛ばしを止めたのか……!

白咲……自分の腕を躊躇無く犠牲にしてこの戦いに何を望む……。