複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.81 )
- 日時: 2017/01/28 15:03
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
外伝 足無き青年
僕の名前は白咲 千秋。
僕は貧民層街の出身だ。十数年前の貧民層街は、殺しさえも警察によって黙認されていた治安が最低の街だった。まあ、暗殺部隊とか言う組織のせいで治安は現在、保たれているいるけどね。
そして、僕は治安が最悪な貧民層街で生まれ育った。これは僕の才能かどうか分からなかったけど、僕は少年にして大人より化け物級に強かった。戦闘バカだった僕は、自分の拳が潰れても大人を殴っていた。
僕は、撲殺が大好きだ。少年時代の僕はゆっくり、人生の敗北者に近づいてにっこり笑顔を向ける。
そして、敗北者は話す。
「お前……。何、見てんだ。死にたくなかったら今すぐ消えろ!餓鬼!」
そして、僕は敗北者の後ろへ走って向かい話す。
「後ろ……振りむいちゃダメだよ」
敗北者は話す。
「はあ?なめてんのか?」
敗北者は後ろを振り向いた。
僕は話す。
「ダメって言ったのにね。言う事聞けないバカな大人はお仕置きだ……」
僕は、ひたすら敗北者を殴った。
僕は、殴る感触が大好きだ。
僕は、この大人を殴り続ける生活が続くと思っていた。しかし、同時に退屈とも思っていた。
強い相手と闘いたい。こんな気持ちが僕の中から出て来た。
ある日……。
僕は、一人の相手と相変わらず闘っていた。
敵が話す。
「やっぱり、お前が白咲だったか。最近、調子に乗っている餓鬼がいると聞いたもんでね!」
僕は話す。
「うん?確かに僕が白咲だけど?だけど、雑魚に餓鬼扱いされたくないんだけど!」
僕は敵に殴りかかろうとしたその時だった。
突如、僕より幼い少年と若者が僕に向かって殴りかかって来た。
僕は三人に滅多打ちにされた。
僕は倒れる。そして、敵の一人が話しかける。
「この世に正義なんてモノは無いんだ。分かるか?小僧。全ては欲望だ。正義も単なるエゴイズムにしか過ぎないんだ。つまり、正義なんてモノは存在しないんだ」
僕は蹴飛ばされる。
僕は立ち上がり話す。
「僕は君と違って正義とかそんなの考えた事ないんだ。僕の頭の中にあるのは、闘いのみ。自分より強い相手とか……ワクワクするタイプなんだよね」
彼らは、実際に強かった。恐らく、一対一でも倒す事は出来なかっただろう。僕より幼い少年と闘ったとしても……。
敵の一人は話す。
「白咲。君に危害を加えてすまなかった。君はどうやら、我々の仲間になるのに相応しい人材という事が再確認出来たよ」
僕は質問する。
「どう言う事か説明を……?」
さっき話していた男が話す。
「ああ……。私の名前は大神だ。こちらは陸田。そして、この少年が土田だ。私達は強い仲間を集めている。その為に、我々は君が超能力無しで強いと言う噂を聞きつけ貧民層街に来て君の戦闘力を知りたかった。戦闘力を確認する為に集団で君を暴行した。勿論、殺す気でやった。しかし、君は立ち上がった。だから、君は私達の仲間に相応しい戦闘力を持っていると考えたんだ。だが、仲間になる事を断る事も出来る。その判断は君に任せる」
最初に喧嘩を売っていた陸田さんが話す。
「だが、仲間になった場合、絶対的な忠誠の為、片腕か片脚を切り落とす。安心しろ、その切り落とした部分はサイボーグ化してやる。だが、永遠に違法サイボーグとして警察に追われる運命を辿るがな」
少年は黙って僕を見つめる。確かに、少年の両腕はサイボーグで出来ている。
大神は話す。
「さあ、どうする。我々に忠誠を誓うか。誓わずに、井の中の蛙でいるか……」
僕は話す。
「まず、どんな目的でこんな事をしているか。全体的な活動内容を話さないとどうしようもないよ」
大神は話す。
「ああ……そうだな。私とした事が焦ってしまった。我々はこの世界を変えたいと思っている。この貧民層街の様な、強い奴が偉いと言う混沌に満ちた世界に変える為に。生まれた場所だけで、強弱関係無く富裕層、貧民層と分かれた差別が行われるこの世界を変えるんだ……。容姿やコンプレックスで差別されるような世界を変えるんだ!!!我々は鉄槌を下すんだよ……。このエゴイズムに溢れた世界に……!」
僕は感銘を受ける。
「大神さん達といると、色んな戦闘が出来るかもね……。片脚なんて言わないよ。両足をサイボーグにしても構わない」
そして、僕は両足がサイボーグになり、特別にサイボーグ部分である足から炎を出せる様になった。
外伝 足無き青年 完
次へ続く。
主人公、視点変更。