複雑・ファジー小説
- Re: 天使の翼 ( No.15 )
- 日時: 2015/12/08 19:46
- 名前: 猫のスーパーハルサメ (ID: qESkNdgF)
肆話「無剣流」
「無剣流....」
「そう、あなたなら知ってるわよね?」
確かに僕は無剣流を知っている。
しかし、僕には一生縁がないのだと思っていた。
何故なら、無剣流は世界でも扱えるのは四人しかいなく、その内一人は行方知れずなのだ。そんな希少なものが僕のもとに転がり落ちてくるなんて思うわけない。
しかし、僕のもとに転がり落ちてきた。
つまり、僕の父さんは無剣流を扱える四人の一人なのだ。
おそらく、行方知れずの人というのは父さんのことだろう。
「貴方の父さんが貴方の眼を見た瞬間に何かを悟ったかのように考え込んでね。あの時はなんのことかと思ってたけどまさか、息子が神の子何て言う大層なものだとは思わなかったわ。」
「もしかして、この本は僕が生まれてからたいして時間もたってない時に書かれたものなの?」
「よく気付いたわね。その通りよ。まあ、今の状態からだと納得行くけどね」
父さんは僕にそこまでの才能があるのだと見込んでたのか...少し感激だ。
無剣流は確か属性がないため、あらゆる属性の者にも一定のダメージを与えるものだったはずだ。そのため、威力の高く、範囲の狭い技が重宝されてきたそうだ。
つまり、僕が今村長に教えてもらっている炎剣流は威力は低いが範囲は広い、つまり、炎剣流の弱いところを補えるのだ。
これは覚えれば損はないどころか得だらけだ。早くご飯を食べて読まなきゃ
こんな感じでご飯をわずか3分で完食し、すぐさま本を読むことにした。
それから一時間後、本を読み終えた僕はすぐさま木剣を持ち出し無剣流の技を再現しようとした。
だが、炎剣流とは桁違いに難しい。おそらく、一番難易度の低い技でも一週間は剣の練習をしなければ習得できないだろう。
そして、この本に書いてある技を全て習得しようとすれば2年はかかる。
簡単に言うといくら才能があっても努力しなければ無駄ということだ。
これを気に悪童どもを練習の成果のための実験台にすると言う建前でボコボコにしてやろう。