PR
複雑・ファジー小説
- Re: 天使の翼 ( No.23 )
- 日時: 2015/12/16 00:46
- 名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)
漆話「時は流れ」
あの事件から数年が経った。
俺は15歳になった。あれ以降俺とムファンに大きな成長は見られなかったが多少、威力が上がったり精度が上がる。そんな感じで伸びていった。
あとは村長がカツラを買った。残りの数も少なくなっていたし当然か。
それと俺が変わったことは一人称を僕から俺に変えたことと、常に古いマントで翼を隠すようになったことか。
あの事件から王国は剣豪ネールスの死で大騒ぎになり、ネールスを殺害したのは翼の生えた少年と言われたからだ。
幸い、この村のものたちは俺を王国につき出さなかったがこんなに分かりやすいヒントが背中にあるんじゃ隠すしかない。
ということで村長から昔使っていたというマントをもらったのだ。
以上がこの数年で変わったことだ。
「おはよう、メル」
元気よくムファンが朝の挨拶してきた。
「おはよう、ムファン。」
俺は静かに挨拶を返す。
「メルってもう十五歳なんだね。四日後には成人式だよ。」
「そうだね、俺は参加しないかな」
「えー、なんで?」
「だって、成人式なんだから他の奴等も来るだろ。そういうとき、いくらマントで隠しているとはいえ、あいつらはいい顔をしないだろうし」
「それもそうね、じゃあ!私の家でリリアさんも呼んでパーティーをしましょうよ!」
「それもいいね。じゃあ四日後の夜で」
「分かったわ。それじゃ、また後で!」
「うんじゃあね。」
そういいながら、俺はこの場を後にした。
あと四日で成人式だ。成人になればあちこちに旅に出れる。あと四日...
そう、俺の今の夢は「冒険家」だ。
『序章』完
PR