複雑・ファジー小説

Re: 天使の翼 ( No.34 )
日時: 2016/01/23 23:25
名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)

二章『探索』

四話「魔法剣士」

ここ、マトーレ王国は大陸の北部に位置する国だ。
簡単には説明すると絶対王政と言うべきほどに王の力が強く、貴族はほとんど力がない。
だが、それほど強大な国とは言えない。
北の地方ならば そこそこ大きいと言えるだろうが、南や他の大陸の国に比べれば小さい国と言えるレベルだ。
だが、そんな国でも人よりは遥かに大きい。母さんがこの国よりも大きければすぐ見つかるのだが母さんが大きければそれはそれで面倒だ。
幸いにも神の子供たちはマトーレ王国でしか活動していないと聞く。
これが、神の子供たちが世界中で活動していたら探すのに数十年は掛かるだろうがマトーレ王国内なら数年くらいで見つかるはずだ。
それまで
母さんが生きていればの話だが...
いや、マイナス方向にばかり考えても仕方ない!絶対母さんは生きている!

「それで?これからどうするの」

「これからは神の子供たちが拠点にしているという王都を目指す。ルートは三つある。
一つは通常の王都へのルート、一番遠いが一番安全でもある。
二つ目は右回りのルート、しかし、ほとんどが森だし、遠回りだからあまりおすすめはしない。
三つ目は山脈を越えるルート。魔物が多く、一番危険だがとても近道になり、わずか3ヶ月で王都につける 。
危険とは言うが俺たちの今の実力なら軽々と通れるだろう。
だから、俺たちは三つ目のルートを通る。」

「分かったわ。でも、そのルートには休憩するための集落はないの?」

「よーく聞いてくれました!このルートには山脈を越えたすぐ先に小さな集落があるんだ。そこには占い師がいるらしいんだ。そこで母さんの場所を探してもらうって訳さ!」

「そうなの?そんなに凄いのその占い師って」

「ああ、噂によると彼女は何もかも言い当てるらしい。例えば、貴族の不正を見抜いたりとか...」

「え!?そんなに凄いんだ。」

「それにその山脈は冒険者の腕試しみたいな所らしいからもしかしたら力になってくれる人がいるかも」

「そんなところなんだ、その山脈って」

「そうなんだ。まあ、まずは進もう」