複雑・ファジー小説

Re: 天使の翼 ( No.36 )
日時: 2016/01/03 02:21
名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)

「おっと、そういえばまだ名乗ってなかったな。僕はカイ。職業は魔法剣士だ。」

「俺はメルフィン、みんな...といってもあまり親しい人がいないんだけど...まあ、みんなからはメルって呼ばれてる。職業は剣士
こっちはムファン。職業は魔法使い
聞いたところあんたは魔法剣士かつまり魔法も剣術もそこそこ強いってことか。こりゃ。手強いな」

「いや、それほどでもないさ。僕よりも剣術も魔法も凄い奴なんて星の数ほどいる。もちろん君もね。だが、2つを操れるやつなんざ。そうそういない」

「結構な自信だな」

「やってみるか?」

カイはそう言ったと同時に地面を蹴り、俺に剣を向けてきた。

「喰らえ!氷の刃<ラム ド グラース>」

剣の刃が氷に変化し襲いかかってくる。
しかし

「炎の風<ウィンドオブファイア>」

炎の風が氷を空中に撒き散らす。そしてその風はカイに襲いかかる。

「光速の剣<エペ ド ラヴィテス ド ラ リュミエール>」

やたら長い技を唱えたあと、彼の指先がぶれたかと思ったら風を既に切り裂いていた。

「ちっ...ここまでとはな...」

もう仕方ない。あの技を使うか...

「すぅ...はぁ!」

「ちょっと待ちな、周りを見な」

俺が無剣流究極奥義「無心王剣」を使おうとした瞬間、彼が邪魔をした。

「周りを見ろだと...いったいなにが...!?」

彼の言う通り、周りを見た瞬間、俺は戦慄した。

「な...氷の欠片が!?浮いている...」

「僕はあの時、氷の刃を破壊された。しかし、あのとき無属性特殊魔法「固定<フィクサーション>」を発動した。そのおかげで氷が飛び散らず宙に固まったってことよ。そして今!僕は固定を解く。そうなればどうなるのか、解るよね?」

「くそっ...逃げなければ!」

「無駄だ!解除!」

カイの合図と共に氷の欠片は俺に襲いかかってくる。

「ぐあああ!」

全身に針が突き刺さるような痛みが広がる。

「くそ...」

だが

「さあ!止めだ。炎砲<ピルトーラフィアンマ>」

あんたはその魔法を使う隙を作った。
大人しく、時間の掛からない魔法を使えばいいのに...

「あんたの負けさカイさん。」

そういったと同時に俺は無剣流上級奥義「瞬殺剣」を放つ。

「な!?ぐ...呆気ない終わりだな...僕の負けだ。」

そう言うとカイは倒れる。それに続くように俺の意識も遠のいた。


「...!?..ル!?メル!?」

「ん...?俺...寝てたのか?」

「ええ、それも一日中よ。カイって人はもうとっくに元気になってるのに」

「え!?どこ!?」

「後ろ」

「やあ」

「ぎゃーーーーー!?」

「そんな驚くことないだろ。昨日は死闘を繰り広げた中じゃないか」

「いやでも、普通、後ろにいたら驚きますよ。」

「そうかな?あ、そう言えば僕、君たちの旅の仲間に加わることになったよ。」

「え...?」

今、一瞬なんて言ったのか、分からなかった。旅の仲間になる?

「そうさ、旅をしてる理由は聞いたよ。君の剣の腕とその親を思いやる心に気に入った。暫く、同行させてもらうよ。」

「え、あ、はい」

「あ、そう言えば君たち、冒険者ギルドには入った?あれに入らなくても一応冒険者ではあるんだけど、入ったほうが色んな情報が得られるよ。山頂にあるんだけど。よってみないかい?」

「え、あ、はい」

俺とムファンは同時に言った。
そんな感じですカイさんが仲間になった。