複雑・ファジー小説

Re: 天使の翼 ( No.37 )
日時: 2016/01/09 13:43
名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)

五話「剛腕」

「はい、ご登録終わりました。これであなた方も晴れて冒険者ギルドの会員です」

「はい、ありがとうございました。」

カイさんに言われるがままに冒険者ギルド会員登録をしてみたが、どんな意味があるのだろう

「冒険者ギルドは様々な冒険者が集まる場所だ。だから、依頼なんかも結構来るし、冒険者のなかで情報交換や、パーティを結成したりもする。」

「へえ、説明ありがとうございます。」

まあ、便利なのかだけど、今の説明のなかで今の俺に必要と感じたのは情報交換というところのみだ。
そこで、俺は向かいの席に座っている冒険者に声をかけた。

「なあ、あんた」

「ん?なんだ。」

「人を探してるんだ。特徴は金髪で見た目は20代の背中に翼の生えた女」

「なんだ、その天使族みたいなやつは知らねえよ」

「そうか、すまない」

話をきいたあと、俺らは冒険者ギルドを後にしそのまま山脈を通る道に進む。

「しょうがない。山脈の麓にある集落を目指すしかない」

「そうですね、」

と話をしていると雨が降ってきた。

「まずいな、ん?彼処に洞窟がある。雨宿りをしよう」

「はい」

その洞窟の中に入ると何やら血生臭い臭いが漂ってきた。

「なんだ?まあいい、奥に進むか。」

「いやだ。こんな臭いメル、なんとかしてよ」

「いや、なんで俺なんだよ!?」

「いや、メルならなんとかしてくれると思って」

「それならムファンの魔法を使えよ」

「そんな魔法ないわよ」

「ふふっ、君たち仲が良いね、恋仲かい?」

「な!?」

「え!?」

俺とムファンは顔を赤くする

「そ、そんな訳ないですよ!」

「お、俺とムファンは只の幼なじみですから!」

「はっはっは、それならいいよ」

この人、俺とムファンの反応を楽しんでいる...なんて男だ!?
と話しているうちに洞窟の奥にたどり着く。
はこには、とても恐ろしい光景が広がっていた。

「な...なにこれ...」

辺りにはたくさんの血と腸、そして首が転がっていた。

「...!?」

「話は聞いたことがある。ある洞窟があり、そこには怪物が潜んでいると、そいつは斧を使わないと倒せなくて、大半の冒険者は斧なんか使わないからたちまち食い殺されると」

「に...逃げろーーーっ!」

ムファンは逃げようとするが突如、目の前に15mはある熊のようなものが立ち塞がった。

「なんだこいつ!?」

「くそう...見つかったか」

「えっと、業火<ヘルファイア>」

「グルアアアアア」

しかし、業火は熊の毛には通じない

「ああ、お父さん、お母さん。先にあちらへいきます」

「ムファン!?逃げろ!何をしてるんだ!?くそ...はぁ!」

とっさに瞬殺剣を使うが、効かない。

「もう終わりか...」

誰もが諦めたとき、突然熊の後ろが光ったかとおもったら、熊の上半身と下半身が真っ二つに割れていた。
そして、その後ろには巨大な斧を持った少女が立っていた。