複雑・ファジー小説

Re: 天使の翼 ( No.40 )
日時: 2016/01/24 00:04
名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)


「待ちなよ。僕は君たちと敵対する意思はない」

信じられるか...って信じられるのかも知れないこいつは格好こそ怪しいが別に攻撃しようとしたのではなく助言をしたんだ。
今回は俺達が悪いな。
こいつは怪しいが話は聞くだけ聞こう。

「そうだな、急に襲ったりして悪かった。その助言とやらを聞かせてくれ」

「君たちはこの山脈の麓の村で占い師に母の居場所を聞こうとしているよね?」

どうやら母の居場所について関係のある話のようだ。

「ああ、そうだがなんだ?母さんの居場所を教えてくれるのか?」

もしそうだったら嬉しい。

「いいや、違うだが似たようなことさ。」

「似たようなこと?」

「ああ、その占い師の婆さんにすぐに会うのはやめるんだ、村に3日間、滞在したあと、その婆さんの館には向かわずに井戸の底を見るんだ。そうしたら、その婆さんの大切なものが見つかる。
それが一番重要なものだ。
そして、それを見せればその婆さんは君達に最も適切な占いをしてくれるだろう。」

なんか、よくわからんが3日間滞在したあと井戸の底を見ればいいのか、分かった。

「ああ、あとこの長旅のルートを短縮させる方法を教えよう。
ちょっとあそこにある大岩を砕いて。」

そういうと男は右側にあるとても大きな岩を指差した。

「これか?ふん!」

即座に瞬殺剣を使い、岩を粉々にするとなかには何やら大きな穴があった。

「これは...ワープゾーンなのか!?長年旅を続けて来たがワープゾーンは初めて見た...」

カイさんが言うにこの穴はワープゾーンと言い、とても珍しい物らしい。

「このワープゾーンは麓の村に通じている。さあ、入りなよ。」

「さ、さすがに信じられないわよ!この穴がただの落とし穴だったらどうするのよ!」

ムファンは心配そうに言うが、ここは一つ、危険を犯さなければ何も得られないってやつだ。
穴に入るしかない。

「いや、俺が試しにいってみるよ。もしただの落とし穴でも戻ってこられるさ。」

「で、でも」

ムファンが俺を心配してくれているが大丈夫だ。

「なーに、もし俺が入って十秒たっても戻ってこなかったら、この男をなぶり殺してくれ、頼んだよ。」

そう言って俺は穴の中に入る。
穴にはなにやらすごい光て満ちているため眼を開けられない。
そして、気がついたら村のようなとこにたっていた。もちろん、近くに穴はあった。
そして、自分のすぐそばにはここは山脈の麓の村であるということが書かれている看板があった。

「どうやら、本当に麓の村らしいな。まあ、一回あっちに戻るか」

そう言って穴に再び入る。

戻ってきたときは恐らくちょうど十秒たっていたのだろうがムファンは男に向かって魔法を放っていた。

「業火<ヘルファイア>」

ムファンは男にムファン自信で一番得意な技を使い、男を焼き払おうとしている。

「いくら物理結界でも魔法には敵わないわよね!」

「え!?、ちょっと!待っ...」といいかけた時、ムファンの魔法は男の目の前で消え去った。

「僕は物理結界以外も魔法結界も使えるよ。まあ、物理結界ほど強くはないが」

この男、何者なんだ...?
おっと、その前に

「おーい、麓の村に繋がってるぞ!そいつの言ってたことは正しかった!」

そう言った途端、ムファンとユシャンが俺に飛び込んできた。

「お兄ちゃーん!」

「メル!」

「うげぶっ!?」

二人同時に俺に抱きついて来たので思わず倒れてしまう。

「あっちゃー、でもメルフィン君は嘘をつかないしやはり、ワープゾーンか」

「そ...そんなことより助け..て...くださ...い」

「ああ、すまん、こら、ユシャン君にムファン君、メルフィン君が帰ってきて喜ぶのはわかるけど、そんなに抱き締めてメルフィン君が可哀想だよ。」

「あ!お兄ちゃんごめんなさい」

「メル...ごめん...」

カイさんの一言で二人は俺に離れる。ありがとうカイさん。

「とりあえず、このワープゾーンに入って麓の村にひとっとびさ。さあ、行こう」

「私からいくねー!」

まずはユシャンが飛び込む。

「やれやれ、じゃあメルフィン君、ムファン君、先に言ってるよ。」

次にカイさんが飛び込む。

「メル...」

「いいよ、先に言ってて、すぐそっちにいくから」

「うん」

ムファンも飛び込み、俺も行こうとするが、男が俺に話しかけてくる。

「おっと、まって、最後に渡したいものがあるんだ。」

「なにを?」

男は古い手帳のようなものを渡す。

「天使族侵攻時代の日記さ、君はあまり、天使族侵攻時代の恐ろしさゎ知らないようだから暇な時に見るといい。」

「ああ、わかった。」

そういったあと、男から手帳を受けとる。
これを書いたやつの名前は...フェニ?
まあ、いいやもらっておこう

「ありがとな...ええと」

「ファイン」

「そうか、ファイン、じゃあな」

「ああ、また会おう」

話を終えた後、俺は穴に入った。

二章『探索』完