複雑・ファジー小説

Re: 天使の翼 ( No.43 )
日時: 2016/02/10 20:09
名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)

三章『占い師』

七話「とある村」

まあ、村には着いたが、まずは三日間何もせずに滞在か...
それまでの間何をしてればいいんだ?
そう考えているとムファン達が俺に手をふりながら何か叫んでいる。

「メルー!、この村、中々良いところよ!だって冒険者大歓迎だもん!」

冒険者大歓迎か、それはありがたい

「ああ!待ってて、すぐいく」

そう返した後、俺は走ってムファン達の方へ向かう。
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この村はグリーン村というらしい。
由来はこの村の占い師アイント・グリーンから...
そのアイントって占い師は凄い人物だとは知っていたがまさかここまで影響のある人だとは思わなかった。

「メルー?」

そう考えているとムファンが話しかけてきた。

「なんだいムファン」

「この村、今アイントって人がいないんだって、今王都にいて帰ってくるのは三日後だって」

そういうことか、三日会っちゃいけない理由は会わないじゃなくて会えないだからなのか。
まあ、ファインから貰った手帳を見て暇潰しでもするか。
そう思いながらカイさんの予約でとった宿に泊まり、手帳を見ることにした。
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読み終わった時、俺は嫌悪感を抱いていた。
自分に半分流れている血...天使族に
この男は名剣士だったが今は腕を天使族に破壊されたのだろうか
使えなくなっているらしい。
そして恐ろしいのは罪の無い人にまで攻撃する事だ。
人間は確かにこの戦いの以前は罪を犯してきたが関係無い人まで殺すのは可笑しい。
これなら天使族が嫌われてきたのも無理はない...だけど母さんや俺が嫌われたのもお門違いだ。
俺と母さんはこの時代の人間ではない。
なのになぜ俺たちが嫌われなくちゃいけないんだ...
そう悩んでいるときにムファンが俺の側に寄ってきた。

「どうしたの?メル。」

ムファンは無邪気な笑顔で問いかけてきた。

「この手帳を見てくれ。話はそれからだ。」

そうしてムファンに手帳を見せた。
ムファンが読み終えた後、彼女はこう喋った。

「確かにこの人達は可哀想だけどメルも同じ、可哀想な人なのよ。だってこの時代の天使族が悪いのになんでメルが嫌われるの?悩むことなんか無いよ。この人は可哀想だけどメルは悪くない。だってメルは関係無いもん」

そうか...俺は悪くない。
だから悩むことなんか無いんだ。

「ありがとう、ムファン」

「どういたしまして」

そう言った後、一緒に横になって寝た。